読了時間:約9分
あらすじ
むかしむかし、川の近くに心優しい若者が住んでいました。
ある日、若者は傷ついたわに(地域によっては龍や大蛇として伝わる)を助けます。
助けてもらったわには、その恩を忘れずに若者を助けます。
「受けた恩を忘れないこと」「優しさは巡って返ってくること」を伝える昔話です。
本文
むかしむかし、川の近くの村に、一人の若者が住んでいました。
若者は貧しい暮らしをしていましたが、とても優しい心を持っていました。
ある日のこと。
若者が川辺を歩いていると、大きな生き物が倒れていました。
近づいて見ると、それは傷ついたわにでした。
村の人々は言いました。
「危ないから近づいてはいけないよ。」
「そのままにしておいた方がいい。」
しかし、若者は言いました。
「困っているなら助けてあげたい。」
若者はわにの傷を手当てし、水をかけてあげました。
すると、わには少しずつ元気になりました。
そして若者を見つめると、静かに川へ帰っていきました。
数日後のことです。
若者が川で困っていると、
大きなわにが現れました。
「あなたは、以前私を助けてくれた人ですね。」
若者は驚きました。
「わにが話をしている!」
わには言いました。
「あなたの優しさを、私は忘れていません。」
「今日は私があなたを助ける番です。」
わには川の中から美しい宝物を持ってきました。
若者は驚きました。
「こんなものをもらっていいのですか?」
わには答えました。
「あなたは見返りを求めず、私を助けてくれました。」
「だからこそ、私も心からお礼をしたいのです。」
若者は宝物を村のために使いました。
困っている人を助け、
村を豊かにしました。
しかし、その話を聞いた欲張りな人がいました。
「自分もわにを助ければ宝物がもらえるぞ。」
その人は無理にわにを捕まえようとしました。
でも、わには言いました。
「優しさは、何かをもらうためにするものではありません。」
欲張った人は、自分の間違いに気づきました。
それから村では、
「本当の宝物は、優しい心だ。」
と言われるようになりました。
おしまい。
登場人物
- 若者
見返りを求めず生き物を助ける主人公。 - わに
恩を忘れず、助けてくれた若者に恩返しをする存在。 - 欲張りな人
優しさの本当の意味に気づく人物。
教訓
- 見返りを求めない優しさは大切。
- 受けた恩を忘れない心を持つ。
- 優しさは巡り巡って返ってくる。
親子で話したいポイント
- 若者はなぜわにを助けたのかな?
- 親切にするとき、何かのお返しを期待しているかな?
- 友だちにしてもらって嬉しかったことは?
保育士向け活用ポイント
- 思いやりや動物愛護の心を育てる題材になります。
- 「恩返し」という日本昔話によく出てくるテーマを学べます。
- 動物との関わりや命の大切さを考える活動につなげられます。


コメント