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あらすじ
むかしむかし、おしゃれが大好きな王様がいました。
ある日、「賢い人にしか見えない特別な服」を作れるという二人の仕立て屋がお城へやって来ます。
王様も家来たちも、本当は服が見えないのに「見える」と言い続けてしまいました。
しかし、一人の小さな子どもの素直な一言が、みんなの思い込みを変えていきます。
「正直に話す勇気」「自分の目で見て考えること」の大切さを伝える世界の名作です。
本文
むかしむかし、ある国におしゃれが大好きな王様がいました。
王様は毎日のように新しい服を着ることが何よりの楽しみでした。
ある日、お城に二人の仕立て屋がやって来ました。
二人は言いました。
「私たちは特別な布で服を作ることができます。」
「その服は、賢い人にしか見えません。」
王様は驚きました。
「そんな不思議な服があるのか!」
「ぜひ作ってほしい。」
王様はたくさんのお金や布を渡しました。
しかし、仕立て屋たちは何もない織り機で作業をするふりをしているだけでした。
しばらくして、王様は家来に様子を見に行かせました。
家来は何も見えません。
でも、
「見えません。」
とは言えませんでした。
「私が賢くないと思われるかもしれない。」
そう考えてしまったのです。
「なんて美しい服でしょう。」
家来はそう報告しました。
王様も見に行きました。
もちろん、王様にも服は見えません。
けれど、
「王様なのに見えない。」
とは言えませんでした。
「本当に素晴らしい服だ。」
と笑顔で答えました。
そして、王様は服を着たつもりで町へ出かけることになりました。
町の人たちも、
「見えない。」
とは言えません。
みんな口々に、
「きれいですね。」
「立派な服ですね。」
と言いました。
その時です。
道ばたにいた小さな子どもが言いました。
「あれ?」
「王様、お洋服を着てないよ!」
町中が静かになりました。
すると、一人が言いました。
「本当だ。」
もう一人も言いました。
「本当に服はない。」
王様は少し恥ずかしくなりました。
でも、子どもの素直な言葉を聞いて考えました。
「私は、人の目ばかり気にしていた。」
「本当に大切なのは、正直でいることなんだ。」
王様は笑顔で子どもに言いました。
「教えてくれてありがとう。」
それから王様は、立派な服よりも、人の話に耳を傾ける王様になりました。
国の人たちも、自分の考えを正直に話せるようになり、安心して暮らせる国になりました。
おしまい。
登場人物
王様
おしゃれが大好きな主人公。最後には素直な気持ちの大切さに気付きます。
二人の仕立て屋
「賢い人にしか見えない服」を作るとうそをつく人物です。
家来たち
本当のことが言えず、周りに合わせてしまいます。
子ども
素直な気持ちで、本当のことを話す勇気を持った人物です。
教訓
- 本当のことを伝える勇気は、とても大切。
- 周りに合わせるだけでなく、自分で考えることが大切。
- 素直な心は、人や社会をより良くする力を持っている。
親子で話したいポイント
- 子どもは、どうして本当のことを言えたのかな?
- 周りのみんなは、どうして「見えない」と言えなかったんだろう?
- 正直に話してよかった経験はあるかな?
- 本当のことを伝える時に大切なことは何だと思う?
保育士向け活用ポイント
- 「主体性」や「自分の考えを伝える力」を育む読み聞かせに適しています。
- 周囲に流されず、自分の感じたことを表現することの大切さを話し合うきっかけになります。
- クラス会議やサークルタイムで「自分ならどうする?」をテーマに対話活動へ発展させることができます。
- 子どもの素直な気付きや発言を受け止める保育者の姿勢について考える教材としてもおすすめです。


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