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あらすじ
むかしむかし、貧しいけれど心優しいおじいさんがいました。
ある日、おじいさんは罠にかかっていたたぬきを助けます。
すると、その夜、不思議な茶釜が家にやってきます。
その茶釜はなんと、たぬきが化けたものでした。
たぬきは恩返しのために、人々を笑顔にする働きをします。
本文
むかしむかし、ある村に、貧しいけれど優しいおじいさんが住んでいました。
おじいさんは毎日まじめに働き、困っているものを見ると放っておけない人でした。
ある日のこと。
おじいさんが山へ薪を拾いに行くと、草むらから苦しそうな声が聞こえてきました。
「クゥーン……。」
近づいてみると、一匹のたぬきが罠にかかっています。
「かわいそうに。」
おじいさんは急いで罠を外しました。
たぬきは何度も頭を下げるようなしぐさをすると、山の奥へ走っていきました。
「元気で暮らすんだよ。」
おじいさんは笑顔で見送りました。
その夜のことです。
おじいさんが眠ろうとしていると、
トントン。
戸をたたく音がしました。
「こんな夜に誰だろう?」
戸を開けると、そこには見知らぬ商人が立っていました。
「これは珍しい茶釜です。」
「よかったら買ってください。」
おじいさんは不思議に思いましたが、とても立派な茶釜だったので家に置くことにしました。
次の日。
おじいさんが茶釜でお湯を沸かそうとすると、
「熱い、熱い!」
という声が聞こえました。
「えっ?」
驚いて見ると、茶釜からたぬきの顔が出ています。
「私は昨日助けていただいたたぬきです。」
「お礼がしたくて、この姿になりました。」
おじいさんはびっくりしました。
「そんなことがあるのかい。」
たぬきは言いました。
「私が茶釜になれば、きっと役に立てます。」
しかし、おじいさんは困りました。
「茶釜になって苦しくないのかい?」
すると、たぬきは笑いました。
「あなたが助けてくれた優しさに比べれば、大したことではありません。」
おじいさんは考えました。
「それなら、この茶釜を大切にしよう。」
ところが、おじいさんは貧しく、茶釜を使うだけでは生活が楽になりません。
そこでたぬきは言いました。
「私が見世物になれば、お金を得ることができます。」
「でも、あなたが困らない方法でやりましょう。」
おじいさんは悩みました。
「無理をさせることはできないよ。」
しかし、たぬきは大丈夫だと言いました。
こうして、おじいさんとたぬきは町へ出ることにしました。
町の人たちは驚きました。
「歩く茶釜だ!」
「踊る茶釜だ!」
茶釜の姿をしたたぬきは、楽しい芸を見せました。
みんな大笑いし、たくさんの人が集まりました。
そのおかげで、おじいさんの暮らしも少しずつ豊かになりました。
でも、おじいさんはお金よりも、たぬきが元気でいることを喜びました。
「ありがとう。」
「でも、もう無理をしなくてもいいんだよ。」
たぬきは嬉しそうに言いました。
「あなたは自分のことより、私のことを心配してくれる。」
「だからこそ、恩返しができてよかったのです。」
それからたぬきは、茶釜の姿をやめ、山へ帰っていきました。
おじいさんは少し寂しく思いましたが、
「元気でいてくれれば、それで十分だ。」
と思いました。
その後も、おじいさんの家には笑い声が絶えず、村の人たちはこう言いました。
「優しい心は、いつか幸せになって返ってくるんだね。」
おしまい。
登場人物
- おじいさん
困っているたぬきを助ける優しい人物。 - たぬき
助けてもらった恩を返すため、茶釜に化ける。 - 町の人たち
不思議な茶釜を楽しむ人々。
教訓
- 親切な行いは、巡り巡って返ってくる。
- 相手を思いやる気持ちが大切。
- 本当の恩返しは、相手を喜ばせること。
親子で話したいポイント
- おじいさんはなぜたぬきを助けたのかな?
- たぬきはどんな気持ちで恩返しをしたのかな?
- 誰かに親切にされた経験はある?
保育士向け活用ポイント
- 「優しさ」「恩返し」「思いやり」を伝える教材に適しています。
- たぬきや茶釜の動きを取り入れた表現遊びに発展できます。
- 4〜5歳児の劇遊びや発表会の題材としても人気があります。


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