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あらすじ
むかしむかし、とても寒い大みそかの夜、一人の少女が町でマッチを売っていました。
誰もマッチを買ってくれず、少女は寒さに震えながら街角に座り込みます。
一本ずつマッチをすっていくと、その小さな炎の中には、少女が心から願っていた温かな景色が広がりました。
「思いやりの心」「困っている人に手を差し伸べる優しさ」「家族のぬくもりの大切さ」を伝える世界の名作です。
本文
むかしむかし、とても寒い冬の日のことです。
雪がしんしんと降る町で、一人の小さな女の子がマッチを売っていました。
「マッチはいりませんか。」
「どなたか買ってください。」
でも、急いで歩く人たちは、少女に気付かず通り過ぎていきました。
日が暮れるころには、町中がきらきらと明かりに包まれました。
家々からは、おいしそうな料理のにおいが漂ってきます。
楽しそうな笑い声も聞こえてきました。
少女は、とても寒く、お腹もぺこぺこでした。
「少しだけ、あたたまりたいな。」
少女は、一本だけマッチをすってみました。
シュッ。
小さな炎が優しく光ります。
すると、不思議なことに、大きな暖炉が目の前に現れました。
ぱちぱちと火が燃えています。
「わあ、あったかい。」
でも、マッチの火が消えると、暖炉も消えてしまいました。
少女は、もう一本マッチをすりました。
すると今度は、大きなテーブルいっぱいのごちそうが見えました。
焼きたてのパン。
あたたかいスープ。
おいしそうな料理が並んでいます。
「みんなで食べられたらいいな。」
けれど、それもすぐに消えてしまいました。
三本目のマッチをすりました。
すると、美しく飾られたクリスマスツリーが現れました。
たくさんのろうそくが輝き、
星がきらきら光っています。
少女は思わず笑顔になりました。
やがて、その光も空へ消えていきました。
最後の一本をすった時、
少女の大好きだったおばあさんが現れました。
「おばあちゃん!」
おばあさんは優しく微笑みました。
「寒かったね。」
「よく頑張ったね。」
少女は嬉しそうに言いました。
「ずっと一緒にいて。」
おばあさんは少女の手をそっと握りました。
その温かさに包まれながら、少女は安心した表情になりました。
翌朝、人々は街角で静かに眠る少女を見つけました。
町の人たちは、少女がどれほど寒く、寂しい思いをしていたのかを知りました。
「もっと早く気付いてあげられたら……。」
人々は深く反省しました。
それから町では、困っている人を見かけたら声をかけ、助け合うことを大切にするようになりました。
少女の願っていた温かな世界は、人々の優しさの中に少しずつ広がっていったのでした。
おしまい。
登場人物
マッチ売りの少女
寒い冬の日に、一生懸命マッチを売る心優しい少女です。
おばあさん
少女が大好きだった存在。最後まで温かく見守り続けます。
町の人たち
少女の存在に気付けなかったことを後悔し、助け合うことの大切さを学びます。
教訓
- 困っている人に気付き、手を差し伸べることが大切。
- 家族や周りの人の温かさは、何より大きな支えになる。
- 思いやりの心が、優しい社会をつくる。
親子で話したいポイント
- 少女はどんなことを願っていたのかな?
- 困っている人を見かけたら、どんなことができるかな?
- 誰かに優しくしてもらって嬉しかったことはある?
- あなたなら、少女にどんな言葉をかけてあげたい?
保育士向け活用ポイント
- 「思いやり」や「人を助ける気持ち」を育む読み聞かせとして活用できます。
- 子どもたちと「困っている友だちにできること」を話し合うきっかけになります。
- 福祉や地域とのつながり、助け合いの心について考える導入教材としてもおすすめです。
- ※原作は悲しい結末を迎える作品ですが、本記事では子どもたちが読みやすいように表現をやわらげながら、本来のメッセージである「思いやりの大切さ」が伝わる構成にしています。


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