あらすじ
むかしむかし、竹を取って暮らしているおじいさんがいました。
ある日、おじいさんが竹林へ出かけると、一本の竹が不思議な光を放っていました。
竹を切ってみると、中から現れたのは手のひらに乗るほど小さな女の子。
おじいさんとおばあさんはその子を大切に育て、「かぐや姫」と名付けます。
美しく成長したかぐや姫のもとには、多くの人が訪れるようになります。
しかし、かぐや姫には誰にも言えない秘密がありました。
本文
むかしむかし、山の近くに竹を取って暮らしているおじいさんがいました。
おじいさんは毎日竹林へ出かけ、竹を切っては、かごや道具を作って暮らしていました。
ある日のことです。
いつものように竹林へ入ると、一本の竹が美しく輝いていました。
「おや、これはいったいどうしたことだろう。」
おじいさんが近づいてみると、竹の中から光が漏れています。
そっと竹を切ってみると、中には手のひらに乗るほど小さな女の子がいました。
「まあ、なんとかわいらしい子だろう。」
おじいさんは女の子を大切に抱きかかえ、家へ連れて帰りました。
おばあさんに見せると、おばあさんも大喜びです。
「なんてかわいらしい子でしょう。」
二人はその女の子を、大切に育てることにしました。
それからというもの、おじいさんが竹を取りに行くと、不思議なことが起こるようになりました。
竹の中から、金が見つかるようになったのです。
おじいさんとおばあさんは、その金を使って女の子を大切に育てました。
女の子は、すくすくと成長していきました。
そして、「かぐや姫」と名付けられました。
かぐや姫は、美しい娘になりました。
その美しさは遠くまで伝わり、やがて多くの人がかぐや姫に会いたいと訪れるようになりました。
なかでも、五人の身分の高い男たちは、かぐや姫に結婚を申し込みました。
「どうか、私と結婚してください。」
けれど、かぐや姫は誰か一人を選ぶことができません。
そこで五人に、それぞれ難しいお願いをしました。
「私がお願いする宝物を持ってきてください。」
それは、どれも簡単には手に入らない珍しい宝物ばかりでした。
五人はそれぞれ、宝物を求めて出かけていきました。
けれど、誰も本物の宝物を持ち帰ることはできませんでした。
それからしばらくたった、ある夜のことです。
かぐや姫は月を見つめながら、静かに泣いていました。
それを見たおばあさんが尋ねました。
「どうしたのですか?」
かぐや姫は、しばらく黙っていました。
そして、とうとう口を開きました。
「私は本当は、月の世界から来たのです。」
「もうすぐ、月へ帰らなければなりません。」
おじいさんとおばあさんは驚きました。
「そんな……。」
二人は、かぐや姫を本当の娘のように大切に育ててきました。
「ずっと一緒に暮らしたかった。」
おじいさんとおばあさんは悲しみました。
けれど、月へ帰る日は近づいてきます。
そして、とうとうその日がやってきました。
夜空には、大きな月が輝いていました。
やがて月から、かぐや姫を迎える者たちがやってきました。
おじいさんとおばあさんは、涙を流しながらかぐや姫を見つめました。
かぐや姫も、二人との別れを悲しみました。
そして、月から来た者たちとともに、夜空へと昇っていきました。
おじいさんとおばあさんは、遠ざかっていくかぐや姫の姿を、いつまでも見つめていました。
おしまい。
登場人物
かぐや姫
光る竹の中から現れた不思議な女の子。おじいさんとおばあさんに大切に育てられ、美しい娘へと成長します。
おじいさん
竹を取って暮らしています。光る竹の中でかぐや姫を見つけ、家へ連れて帰ります。
おばあさん
おじいさんとともに、かぐや姫を大切に育てます。
五人の貴族
かぐや姫に結婚を申し込み、それぞれ難しい宝物を求めることになります。
教訓
- 大切な人と過ごす時間や思い出の尊さが描かれている。
- 欲しいものが、いつでも自分のものになるとは限らない。
- 出会いだけでなく、別れもまた物語の大切な一部として描かれている。
親子で話したいポイント
- おじいさんは、光る竹を見つけたときどんな気持ちだったかな?
- かぐや姫は、どうして月を見ながら泣いていたのかな?
- おじいさんとおばあさんは、どんな気持ちでかぐや姫を見送ったと思う?
- 大切な人との思い出には、どんなものがある?
保育士向け活用ポイント
- 光る竹や月の世界など、子どもの想像を広げやすい場面が多く登場する作品です。
- 竹や月を題材にした制作、絵画、表現活動へつなげることができます。
- かぐや姫とおじいさん・おばあさんの関係から、家族や大切な人について考えるきっかけになります。
- 年長児では、かぐや姫の別れの場面から「離れていても大切な人」や「思い出」について話し合うこともできます。


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