あらすじ
山道に突然現れるという、不思議な妖怪「油すまし」。
その正体はよくわからず、山の中に現れる不思議な妖怪として語り継がれてきました。
本文
むかしむかし、山道を通って町へ油を売りに行く人々がいました。
油は、毎日の暮らしに欠かせない大切なものでした。
ある夜のことです。
一人の油売りが、暗い山道を急いでいました。
あたりはしんと静まり返っています。
しばらく歩いていると、道の先に小さな人影が見えました。
「誰だろう?」
油売りは、おそるおそる近づいていきました。
そこには、見たこともない者が立っています。
あたりは暗く、顔もよく見えません。
すると、その者がたずねました。
「油を持っているのか?」
油売りは驚きながら答えました。
「はい……」
その者は何も言いません。
ただ、じっと油を見つめています。
やがて、その者はすっと山の奥へ消えていきました。
怖くなった油売りは、急いで村へ戻りました。
そして、山で起きたことを村人たちに話しました。
すると、村人たちは言いました。
「それは、油すましに会ったのだ」
油すましがいったい何者なのか、誰にもわかりません。
それからも山では、ときどき油すましが姿を現すと語り継がれたということです。
おしまい。
登場人物
油売り
山道で油すましに出会った人物。
油すまし
山道に現れると伝えられている、正体のわからない妖怪。
村人たち
油すましについての言い伝えを知っている人々。
教訓
油すましの正体は、物語の中でも明かされません。
何者なのかわからないからこそ、昔の人々が感じた山の暗さや不思議さを想像できるお話です。
親子で話したいポイント
- 山道で知らない人に出会ったら、どうする?
- 暗い夜道では、どんなことに気をつければいいかな?
- 自分で山に住む妖怪を考えるなら、どんな姿にする?
保育士向け活用ポイント
「自分ならどんな妖怪を考える?」と問いかけ、妖怪の姿を自由に想像する造形活動につなげられます。
また、昔の油売りや、電気がなかった時代に油がどのように使われていたのかなど、昔の暮らしに興味を広げるきっかけにもできます。


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