くらげ骨なし

昔話
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あらすじ

むかしむかし、海の中には竜宮城があり、竜王さまとたくさんの海の生き物たちが暮らしていました。

ある日、病気になったお姫さまを助けるため、くらげは大切なおつかいを頼まれます。

しかし、途中である失敗をしてしまいます。

なぜくらげには骨がないのかを伝える、不思議で楽しい昔話です。

本文

むかしむかし、海の深いところに、美しい竜宮城がありました。

竜宮城には竜王さまとお姫さま、そしてたくさんの魚や海の生き物たちが暮らしていました。

たいもいました。

ひらめもいました。

たこやえび、かにもいました。

みんな仲良く暮らしていました。

ところが、ある日のことです。

竜宮城のお姫さまが急に元気をなくしてしまいました。

ご飯も食べられません。

笑顔もなくなってしまいました。

竜王さまはとても心配しました。

「どうしたら元気になるのだろう。」

そこで海のお医者さんであるふぐ先生が診察をしました。

ふぐ先生はしばらく考えて言いました。

「お姫さまを元気にするには、山に住む猿の肝が必要です。」

竜王さまは驚きました。

「それなら、誰かにお願いしよう。」

そこで選ばれたのが、くらげでした。

くらげは泳ぐのが上手で、真面目に働く生き物でした。

「私が行ってまいります。」

くらげは元気よく返事をしました。

竜王さまは言いました。

「猿を連れてきてほしい。」

「ただし、事情は話してはいけないよ。」

くらげは大きくうなずきました。

「わかりました。」

くらげは海を泳ぎ、浜辺へ向かいました。

すると、岩の上で一匹の猿が遊んでいました。

「こんにちは。」

くらげは声をかけました。

猿は驚きました。

「海の生き物が話しかけてきた!」

くらげは言いました。

「海の中には、とても美しい竜宮城があります。」

「おいしい食べ物もたくさんあります。」

「ぜひ遊びに来ませんか?」

猿は興味を持ちました。

「それは楽しそうだね。」

猿はくらげの背中に乗り、一緒に海へ向かいました。

ところが、途中でくらげはうっかり話してしまいました。

「本当は、お姫さまの病気を治すために猿の肝が必要なんです。」

猿はびっくりしました。

「それは大変だ!」

猿は急いで考えました。

そして言いました。

「しまった!」

「肝を木の上に置いてきてしまった!」

くらげは驚きました。

「それなら取りに戻りましょう!」

くらげは急いで浜辺へ戻りました。

すると猿は木の上へ飛び乗りました。

そして笑いながら言いました。

「肝を置いてくる猿なんているものか!」

「秘密を話してしまったんだね。」

くらげはようやく気づきました。

「しまった……。」

くらげは悲しい気持ちで竜宮城へ戻りました。

竜王さまは事情を聞きました。

「大切なおつかいには、秘密を守ることも必要だったのだ。」

くらげは深く反省しました。

すると怒った竜王さまは、くらげの骨を抜いてしまったと言われています。

それからというもの、くらげには骨がなく、ふわふわと海を漂うようになったそうです。

でも、くらげはこの出来事を忘れませんでした。

大切な役目を任された時には、

最後まで責任を持つこと。

そして、伝えてよいことと、そうでないことを考えること。

その大切さを学んだのでした。

おしまい。

登場人物

  • くらげ
    真面目ですが、うっかり秘密を話してしまう主人公。
  • 竜王さま
    竜宮城を治める王様。
  • お姫さま
    病気になってしまった竜宮城のお姫さま。

  • とっさの知恵で危機を乗り越える動物。
  • ふぐ先生
    お姫さまを診察する海のお医者さん。

教訓

  • 任された仕事には責任を持つことが大切。
  • 話してよいことと秘密にすることを考える。
  • 失敗から学ぶことで成長できる。

親子で話したいポイント

  • くらげはどうして秘密を話してしまったのかな?
  • 約束を守ることはなぜ大切なんだろう?
  • 失敗をした時にはどうすればいいかな?

保育士向け活用ポイント

  • 「約束を守ること」や「責任を持つこと」を考える教材として活用できます。
  • 子ども同士の秘密や約束について話し合うきっかけになります。
  • 「なぜ○○には△△がないの?」という由来話への興味を広げる導入にも適しています。

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