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あらすじ
むかしむかし、ハーメルンという町では、ねずみが増えすぎて人々が困っていました。
そこへ、不思議な笛を持った男が現れます。
男は美しい笛の音でねずみたちを町の外へ連れて行きました。
しかし、町の人たちは約束を守りませんでした。
「約束を守ること」「信頼はとても大切なもの」ということを伝える世界の名作です。
本文
むかしむかし、ハーメルンという町がありました。
町には、たくさんの人が暮らしていました。
ところが、ある年のこと。
ねずみがどんどん増え始めました。
家の中にも。
お店の中にも。
食べ物のある場所にも。
町中がねずみでいっぱいになってしまいました。
人々は困り果てました。
「どうしたらいいんだろう。」
その時、一人の男が町へやって来ました。
男は色鮮やかな服を着て、一つの笛を持っていました。
「私なら、この町のねずみを追い払うことができます。」
町の人たちは驚きました。
「本当ですか?」
男は静かにうなずきました。
「その代わり、仕事が終わったら約束のお礼をください。」
町の人たちは言いました。
「もちろんです。」
男は笛を吹き始めました。
♪ ピーッ、ピピピー ♪
すると、不思議なことが起こりました。
町中のねずみたちが、一匹、また一匹と笛の音に集まってきます。
ねずみたちは男の後をついて歩きます。
男はそのまま町の外へ向かいました。
やがて、ねずみたちは遠くへ去り、町からいなくなりました。
人々は大喜びです。
「助かった!」
ところが、町の人たちは相談を始めました。
「ねずみはいなくなった。」
「もう、お礼を払わなくてもいいんじゃないか。」
男は約束の報酬をお願いしました。
しかし町の人たちは、
「そんなに払えない。」
と言って約束を破ってしまいました。
男は悲しそうな顔で言いました。
「約束は、お金よりも大切なものです。」
数日後。
男はもう一度町へやって来ました。
今度は違う優しい笛の音を奏でました。
♪ ラララ……♪
町の子どもたちは、その美しい音色に耳を傾けました。
男は子どもたちを安全な場所へ導き、
町の人たちへ約束を守ることの大切さを静かに伝えました。
町の人たちは、自分たちの間違いに気付きました。
「私たちは信頼を裏切ってしまった。」
人々は男に謝り、約束していたお礼をきちんと渡しました。
男はにっこり笑いました。
「約束を守る町には、きっと幸せが訪れます。」
それからハーメルンの町では、
誰もが約束を大切にするようになりました。
人々は互いを信じ合い、安心して暮らせる町になったそうです。
おしまい。
登場人物
笛吹き男
不思議な笛を吹く旅人。約束を大切にする誠実な人物です。
町の人たち
ねずみに困っていましたが、一度は約束を破ってしまいます。しかし、自分たちの間違いに気付きます。
子どもたち
笛の音に耳を傾け、町の大人たちへ約束の大切さを考えるきっかけとなります。
ねずみたち
町中に増えてしまい、人々を困らせる存在です。
教訓
- 約束は最後まで守ることが大切。
- 信頼は一度失うと取り戻すのが難しい。
- 誠実な行動は、人とのつながりを深める。
親子で話したいポイント
- 町の人たちは、どうして約束を守らなかったのかな?
- 約束を守って嬉しかったことはある?
- 「ごめんなさい」を伝えることは、どうして大切なんだろう?
- 信頼できる人って、どんな人かな?
保育士向け活用ポイント
- 「約束」や「ルール」の意味について話し合う導入に活用できます。
- クラスでの約束や生活のルールが、みんなが安心して過ごすためにあることを伝える教材になります。
- 登場人物の気持ちを考えることで、社会性や道徳性を育むきっかけになります。
- 笛の音に合わせたリズム遊びや、ごっこ遊び・劇あそびにも発展させやすい作品です。


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