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あらすじ
むかしむかし、力自慢で負けず嫌いな男がいました。
男は「自分より強い者はいない」と思っていましたが、ある日、お寺の仁王様の像と力比べをすることになります。
人間の力と大きな仁王様の力。
男は知恵を使って勝負に挑みますが、最後に大切なことを学ぶのでした。
本文
むかしむかし、ある村に「どっこい」という名前の力持ちの男が住んでいました。
どっこいは、重たい荷物を軽々と持ち上げ、
大きな木を運び、
村で一番の力持ちだと言われていました。
しかし、少し困ったところがありました。
それは、自分の力を自慢することです。
「わしより力の強い者なんて、どこにもいない。」
どっこいはいつもそう言っていました。
ある日のこと。
どっこいは町のお寺へやって来ました。
そこには大きな仁王様の像が立っていました。
赤い顔、
大きな体、
力強い姿。
それを見たどっこいは言いました。
「この仁王様はずいぶん立派だ。」
「でも、わしの力にはかなうまい。」
それを聞いた村人たちは驚きました。
「仁王様と勝負するつもりかい?」
どっこいは胸を張りました。
「もちろんだ。」
すると不思議なことに、仁王様の像が動き出したと言われています。
「人間よ。」
「本当に自分が一番強いと思うのか。」
どっこいは答えました。
「ああ、そう思う。」
そこで、二人は力比べをすることになりました。
まずは押し相撲です。
どっこいが力いっぱい押します。
「どっこいしょ!」
しかし、仁王様はびくともしません。
「さすが仁王様だ。」
村人たちは驚きました。
次は重たい石を持ち上げる勝負です。
どっこいは大きな石を持ち上げました。
「どうだ!」
ところが仁王様は、もっと大きな石を軽々と持ち上げました。
どっこいは悔しくなりました。
「力ではかなわないのか……。」
そこでどっこいは考えました。
「強い者に勝つには、力だけではだめだ。」
そして最後の勝負をお願いしました。
「今度は知恵比べにしましょう。」
仁王様はうなずきました。
どっこいは一本の棒を持ってきました。
「この棒を動かした方が勝ちです。」
仁王様が棒を握ると、どっこいは反対側を持ちました。
「せーの!」
仁王様が力を入れると、どっこいは棒を離しました。
すると仁王様は勢いよく後ろへ倒れそうになりました。
「しまった!」
仁王様は驚きました。
どっこいは言いました。
「力が強いだけでは勝てません。」
「考えることも大切なのです。」
仁王様は笑いました。
「なるほど。」
「お前は力だけではなく、知恵も持っているのだな。」
どっこいはその言葉を聞いて考えました。
今まで自分は力があることばかり自慢していた。
でも、本当に大切なのは力だけではない。
それからのどっこいは変わりました。
力を自慢するのではなく、
困っている人を助けるために力を使うようになりました。
重たい荷物を運び、
壊れた家を直し、
村の人たちを助けました。
村の人たちは言いました。
「本当に強い人というのは、力を自慢する人ではなく、人のために使える人なんだね。」
どっこいは笑いました。
「力も知恵も、誰かのために使ってこそ意味があるんだ。」
それから村では、どっこいのことを立派な力持ちとして語り継いだそうです。
おしまい。
登場人物
- どっこい
力自慢だったが、知恵や思いやりの大切さを学ぶ男。 - 仁王様
強さの象徴として登場する存在。 - 村人たち
どっこいの成長を見守る人々。
教訓
- 本当の強さは、力だけではなく心の強さで決まる。
- 知恵を使うことも大切。
- 力は人を助けるために使うもの。
親子で話したいポイント
- 本当に強い人ってどんな人かな?
- 力があったら何に使いたい?
- 知恵を使うと、どんなことができるかな?
保育士向け活用ポイント
- 「本当の強さ」「思いやり」を考える読み聞かせに適しています。
- 力比べや相撲遊びなど、身体表現活動にもつなげやすい題材です。
- 「強い=勝つこと」ではなく、「人のために役立つこと」という価値観を育む教材になります。


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