梨とり兄弟(なしとりきょうだい)

昔話
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あらすじ

むかしむかし、三人の兄弟が山の中に住んでいました。

ある日、病気になったお母さんが「山の奥にある甘い梨を食べたい」と言います。

三人の兄弟は、お母さんのために梨を探しに出かけます。

しかし、山の奥には不思議な出来事や危険が待ち受けていました。

兄弟は力を合わせ、助け合うことで困難を乗り越えていきます。


本文

むかしむかし、山のふもとの小さな村に、三人の兄弟が暮らしていました。

兄弟は、年老いたお母さんと一緒に、貧しいながらも仲良く暮らしていました。

ある夏の日のことです。

お母さんが急に病気になってしまいました。

顔色も悪く、食事もあまり食べられません。

兄弟は心配しました。

「お母さん、何か食べたいものはある?」

すると、お母さんは小さな声で言いました。

「昔、山の奥で食べた甘い梨が忘れられないよ。」

「もう一度、あの梨を食べられたら元気になれるかもしれないね。」

兄弟は顔を見合わせました。

「よし、僕たちが探してくる!」

三人は翌朝早く、山へ向かいました。

一番上の兄が先頭を歩き、

二番目の兄が道を探し、

一番下の弟が荷物を持ちました。

山はどんどん深くなります。

木々は高く、

道は細く、

知らない場所ばかりです。

しばらく歩くと、大きな川に出ました。

橋はありません。

「どうしよう。」

すると弟が言いました。

「三人で木を集めて橋を作ろう。」

兄弟は力を合わせました。

木を運び、

縄で結び、

時間をかけて小さな橋を作りました。

ようやく川を渡ることができました。

さらに山の奥へ進むと、今度は大きな岩が道をふさいでいました。

一番上の兄が押しても動きません。

二番目の兄が押しても動きません。

そこで三人は声を合わせました。

「せーの!」

力を合わせて押すと、

ゴロゴロゴロ……

大きな岩が少しずつ動き、道が開きました。

やがて三人は、山の奥深くにある一本の梨の木を見つけました。

その木には、今まで見たこともないほど大きくて美しい梨が実っています。

「これだ!」

兄弟は喜びました。

しかし、その時です。

山の奥から大きな声が聞こえました。

「その梨は誰のものだ!」

振り返ると、山の主が立っていました。

兄弟は怖くなりました。

でも、一番上の兄は勇気を出して言いました。

「これは私たちが食べるためではありません。」

「病気のお母さんを元気にするために探しに来ました。」

山の主は黙って兄弟を見つめました。

「自分たちのためではなく、母親のためだったのか。」

すると表情が優しくなりました。

「その心があるなら、この梨を持って行きなさい。」

山の主は一番大きな梨を三人に渡しました。

兄弟は何度もお礼を言いました。

帰り道も、三人は力を合わせて山を下りました。

村へ戻ると、お母さんは大喜びしました。

「まあ、こんな立派な梨を!」

お母さんが梨を食べると、不思議なことに少しずつ元気を取り戻しました。

「ありがとう。」

「お前たちは本当に優しい子どもたちだね。」

兄弟は笑いました。

「三人で力を合わせたからできたんだよ。」

それから兄弟は、どんなことがあっても助け合って暮らしました。

村の人たちは、

「兄弟の仲の良さは、どんな宝物よりも大切だ。」

と語り継いだそうです。

おしまい。


登場人物

  • 三人の兄弟
    力を合わせて困難を乗り越える主人公たち。
  • お母さん
    兄弟を優しく育ててきた母親。
  • 山の主
    兄弟の優しい心を認め、梨を与える存在。

教訓

  • 家族を思う気持ちは大きな力になる。
  • 仲間と協力すれば、難しいことも乗り越えられる。
  • 優しい心は、相手にも伝わる。

親子で話したいポイント

  • 兄弟はどうして梨を探しに行ったのかな?
  • 一人ではできないことでも、協力するとどうなる?
  • 家族のために自分ができることは何かな?

保育士向け活用ポイント

  • 家族愛や兄弟愛を伝える読み聞かせに適しています。
  • 協力することの大切さを考える教材になります。
  • 劇遊びでは、兄弟役・山の主役など役割を作りやすく、表現活動にもつなげられます。

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