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あらすじ
むかしむかし、貧しいけれど心の優しい若者がいました。
若者は観音様のお告げを信じ、一本のわらしべ(わらの茎)を大切に持って旅に出ます。
その一本のわらしべが、次々と価値のあるものへ交換され、最後には大きな幸せを手に入れます。
「小さなものでも大切にする心」「人とのご縁を大切にすること」を教えてくれる、日本を代表する昔話です。
本文
むかしむかし、ある村に貧しい若者が住んでいました。
若者は一生懸命働いていましたが、なかなか暮らしは楽になりません。
「どうしたら幸せになれるのだろう。」
若者は毎日悩んでいました。
ある日のこと。
若者は観音様のお寺へお参りに行きました。
「どうか、私にも幸せになる道を教えてください。」
一生懸命お願いすると、その夜、不思議な夢を見ました。
観音様が現れて言いました。
「目が覚めたら、最初に手に触れたものを大切に持って旅に出なさい。」
「それが、お前の幸せにつながるでしょう。」
若者が目を覚ますと、手に触れたものは――
一本のわらでした。
「こんなもので幸せになれるのかな。」
若者は不思議に思いました。
でも、観音様のお言葉を信じて、そのわらを持って旅に出ました。
歩いていると、一匹の小さな虫が飛んできました。
虫はわらの先に止まりました。
若者はかわいそうに思い、わらに虫をつけたまま歩きました。
すると、通りかかった子どもが言いました。
「そのおもちゃ、きれいだね。」
「ほかのものと交換してくれない?」
若者は、みかんをもらって虫のついたわらと交換しました。
しばらく歩くと、旅の途中の人が困っていました。
「喉が渇いて動けない。」
若者は持っていたみかんを渡しました。
すると、その人は喜びました。
「ありがとう。」
「お礼に、この布を差し上げます。」
こうして、みかんは美しい布になりました。
さらに旅を続けると、ある人が困っていました。
「急いでいるのに、馬が動かなくなってしまった。」
若者は布を使って助けました。
そのお礼に、立派な馬をもらいました。
若者は馬に乗って旅を続けました。
すると、今度は大きなお屋敷の主人に出会いました。
主人は言いました。
「その馬を譲ってくれないか。」
「代わりに、この屋敷と財産を渡そう。」
若者は驚きました。
一本のわらから始まったものが、
虫になり、
みかんになり、
布になり、
馬になり、
最後には大きな財産になったのです。
若者は思いました。
「最初は小さなものでも、大切にすれば大きな幸せにつながるんだ。」
それから若者は、人に優しく、感謝の気持ちを忘れずに暮らしました。
村の人々は言いました。
「幸せは、目の前の小さなものを大切にする心から生まれるんだね。」
おしまい。
登場人物
- 若者
小さなものを大切にし、幸せを手に入れる主人公。 - 観音様
若者に人生のきっかけを与える存在。 - 旅の人々
若者との出会いによって物々交換をする人たち。
教訓
- 小さなものにも価値がある。
- 人との出会いやご縁を大切にする。
- 感謝の心が幸せを引き寄せる。
親子で話したいポイント
- 最初のわらが、どうして大きな財産になったのかな?
- もし交換するなら、何と交換したい?
- 小さなものを大切にした経験はある?
保育士向け活用ポイント
- 「物を大切にする心」「人とのつながり」を育む教材になります。
- 交換遊びやごっこ遊びに発展させやすい題材です。
- 4〜5歳児では「価値は見た目だけでは決まらない」という学びにつなげられます。
- SDGsの「ものを大切にする」「無駄にしない」というテーマとも関連づけられます。


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