一寸法師(いっすんぼうし)

あ行
この記事は約4分で読めます。

読了時間:約6分

あらすじ

むかしむかし、小さな小さな男の子がいました。

その大きさは一寸(約3センチ)ほどしかありませんでした。

体は小さくても、心は誰よりも大きく、いつか立派な人になりたいという夢を持っていました。

一寸法師は都へ向かい、そこで働くことになります。

小さな体を生かして知恵と勇気で困難を乗り越え、最後には幸せをつかむ物語です。

本文

むかしむかし、ある村におじいさんとおばあさんが住んでいました。

二人には子どもがいませんでした。

毎日神様にお願いしていました。

「どうか元気な子どもを授けてください。」

するとある日のことです。

おばあさんに、小さな小さな男の子が生まれました。

ところが、その子は普通の赤ちゃんとは少し違っていました。

体の大きさが、一寸ほどしかなかったのです。

おじいさんとおばあさんは驚きました。

「なんと小さい子だろう。」

けれど、二人はとても喜びました。

「大きさなんて関係ない。大切な我が子だ。」

二人はその子を大切に育てました。

男の子は一寸法師と呼ばれるようになりました。

一寸法師は体は小さくても、とても元気でした。

ご飯もよく食べ、よく笑い、毎日一生懸命に暮らしました。

やがて大きくなった一寸法師は考えました。

「いつまでも家にいるだけではいけない。」

「広い世界へ出て、自分の力を試してみたい。」

そこで一寸法師は、おじいさんとおばあさんにお願いしました。

「都へ行って、立派な人になってきます。」

おじいさんとおばあさんは心配しました。

「体が小さいから危ないこともあるかもしれない。」

それでも一寸法師の決意は変わりません。

「小さくても、できることはあります。」

二人はその言葉を聞き、送り出すことにしました。

旅立ちの日。

おばあさんは針を一本渡しました。

「これはあなたの刀の代わりになるでしょう。」

おじいさんはお椀を渡しました。

「これは舟の代わりに使うといい。」

一寸法師は、お椀を舟にして、箸をこいで川を下っていきました。

どんぶらこ。

どんぶらこ。

小さな舟は都へ向かいました。

長い旅の末、一寸法師は大きな都へ着きました。

そこには立派なお屋敷がありました。

一寸法師はその家の主人に言いました。

「どうかここで働かせてください。」

主人は一寸法師を見て驚きました。

「こんなに小さいのに働きたいとは、たいした心意気だ。」

主人は一寸法師を気に入り、屋敷で働かせることにしました。

一寸法師は毎日一生懸命働きました。

掃除をしたり、荷物を運んだり、できることを探して頑張りました。

ある日のことです。

お屋敷のお姫様がお寺へお参りに行くことになりました。

一寸法師も一緒についていきました。

すると帰り道、大きな鬼が現れました。

「人間を食べてやろう!」

鬼は大きな声で叫びました。

みんなは怖がりました。

しかし、一寸法師は逃げませんでした。

「お姫様を守らなくては!」

一寸法師は針の刀を抜き、鬼へ向かっていきました。

鬼は笑いました。

「そんな小さな体で何ができる!」

しかし、一寸法師はすばやく動き回りました。

鬼の足元を走り、腕に登り、鼻の上へ飛び乗ります。

「いたい!」

鬼は驚いて、一寸法師を飲み込んでしまいました。

ところが、一寸法師は鬼のお腹の中でも負けません。

針の刀でチクチク刺しました。

「まいった!」

鬼は苦しくなり、一寸法師を吐き出しました。

そして慌てて逃げていきました。

鬼が落としていったものがありました。

それは願いをかなえる不思議な打ち出の小槌でした。

お姫様は言いました。

「この小槌なら、あなたの願いもかなうかもしれません。」

一寸法師は小槌を振りました。

「大きくなりたい!」

すると不思議なことが起こりました。

一寸法師の体は少しずつ大きくなっていきます。

小さな手は大きくなり、声も立派になりました。

やがて、一寸法師は立派な若者になったのです。

主人もお姫様も大喜びしました。

「あなたは体の大きさではなく、勇気と優しさで人を助けたのですね。」

その後、一寸法師はお姫様と幸せに暮らしました。

そして、おじいさんとおばあさんを都へ呼び、一緒に仲良く暮らしたということです。

小さくても、大きな心を持つこと。

諦めずに努力すること。

一寸法師の物語は、今も多くの人に勇気を与えています。

おしまい。

登場人物

  • 一寸法師
    体は小さいけれど、勇気と努力を忘れない男の子。
  • おじいさん
    一寸法師を大切に育てた優しいおじいさん。
  • おばあさん
    一寸法師を愛情いっぱいに育てたおばあさん。
  • お姫様
    一寸法師と出会い、その勇気を認める女性。

  • 一寸法師の前に現れる大きな鬼。

教訓

  • 体の大きさではなく、心の大きさが大切。
  • 努力や勇気が人生を変えることがある。
  • 自分にできることを一生懸命行うことが大切。

親子で話したいポイント

  • 自分の得意なことは何かな?
  • 体が小さくてもできることはあるかな?
  • 一寸法師のどんなところがすごいと思う?

保育士向け活用ポイント

  • 「自信を持つこと」「挑戦する気持ち」を育む教材として活用できます。
  • 身体測定や成長をテーマにした活動との相性が良い作品です。
  • 劇遊びでは、一寸法師・鬼・お姫様など役割が分かりやすく、年少〜年長まで幅広く活用できます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました