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あらすじ
むかしむかし、あるところに仲良く暮らす犬と猫がいました。
ある日、二匹は不思議な「うろこ玉」をめぐる騒動に巻き込まれます。
大切なものを守るため、犬は知恵と勇気を出し、猫は自分の力を信じて行動します。
果たして二匹は、無事にうろこ玉を取り戻すことができるのでしょうか。
本文
むかしむかし、山のふもとの小さな家に、一匹の犬と一匹の猫が暮らしていました。
犬は力持ちで、いつも元気いっぱい。
猫は体は小さいけれど、頭の回転が速く、とても賢い動物でした。
性格はまったく違いましたが、二匹はとても仲良しでした。
犬が重い荷物を運べば、猫が道を案内します。
猫が困っていれば、犬が助けます。
「一人でできないことも、二人ならできるね。」
二匹はいつも助け合って暮らしていました。
ある日のことです。
犬と猫が山道を歩いていると、きらりと光るものを見つけました。
近づいてみると、それは不思議な玉でした。
表面には魚のうろこのような模様があり、太陽の光を浴びると美しく輝いています。
「これは何だろう?」
犬が首をかしげました。
猫はじっと玉を見つめました。
「これは普通の玉ではないようだよ。」
その時、山の奥から年老いた亀が現れました。
「おやおや、それは『うろこ玉』ではないか。」
犬と猫は驚きました。
「うろこ玉?」
亀はゆっくり話しました。
「昔から伝わる不思議な玉で、持ち主に幸せをもたらすと言われている。」
「ただし、大切に扱わなければならない。」
犬と猫はうなずきました。
「大事に守ろう。」
二匹は家へ持ち帰り、箱の中へしまいました。
ところが、その話はいつの間にか山の動物たちの間に広まってしまいました。
「うろこ玉を持っている者がいるらしい。」
「そんなに珍しいものなら見てみたい。」
ある夜のこと。
一匹のきつねが犬と猫の家へやってきました。
「こんばんは。きれいな玉を見つけたと聞いたので、少し見せてもらえないかな?」
猫は少し警戒しました。
「見るだけならいいけれど、触らないでね。」
きつねはにこにこ笑いました。
「もちろんだよ。」
しかし、きつねは隙を見て、うろこ玉を持って逃げてしまいました。
「あっ!」
犬が気づいた時には、きつねは森の奥へ消えていました。
犬は悔しそうに言いました。
「大切なものを取られてしまった。」
猫は落ち込む犬に言いました。
「まだ諦めるのは早いよ。」
「どうするんだい?」
「知恵を使おう。」
二匹はきつねの足跡を追いかけました。
森の中には小さな足跡が続いていました。
しばらく進むと、大きな木の下できつねが休んでいました。
きつねはうろこ玉を眺めながら言いました。
「これで私はもっと幸せになれるぞ。」
猫は考えました。
力では犬の方が強い。
でも、きつねは素早く逃げることができます。
そこで猫は小さな声で犬に伝えました。
「私がきつねを油断させるから、その間に玉を取り戻して。」
猫はきつねの前へ出ました。
「きつねさん、その玉は本当に幸せをくれるのかな?」
きつねは得意そうに答えました。
「もちろんだ。」
猫は首をかしげました。
「でも、その玉は持つ人を選ぶと聞いたよ。」
「本当に選ばれた人なら、玉はもっと光るはずだよ。」
きつねは慌てて玉を見ました。
「本当か?」
その瞬間。
犬が素早く走り出し、うろこ玉を取り戻しました。
「しまった!」
きつねは驚きました。
しかし犬は怒りませんでした。
「どうして盗んだんだい?」
きつねはうつむきました。
「だって、幸せになりたかったんだ。」
猫は優しく言いました。
「幸せは、誰かから奪うものじゃないよ。」
「自分で努力したり、仲間を大切にしたりすることで見つかるものだよ。」
きつねはその言葉を聞いて反省しました。
「ごめんなさい。」
それから、きつねはもう人のものを盗むことはありませんでした。
犬と猫は、うろこ玉を大切にしまいました。
けれど、二匹が一番大切にしたものは、玉ではありません。
困った時に助け合える友だちとの絆でした。
そして二匹は、これからも仲良く暮らしたということです。
おしまい。
登場人物
- 犬
力持ちで正直な性格。仲間を守ろうとする優しい動物。 - 猫
小さいけれど知恵があり、冷静に考えて行動する動物。 - きつね
うろこ玉を欲しがり、間違った行動をしてしまう動物。 - 亀
うろこ玉について教えてくれる物知りな存在。
教訓
- 大切なものは物だけではなく、仲間との信頼でもある。
- 欲しいものがあっても、人から奪ってはいけない。
- 力と知恵を合わせることで困難を乗り越えられる。
親子で話したいポイント
- 友だちが困っていたら何ができるかな?
- 欲しいものがある時、どうしたらいいかな?
- 犬と猫はどうして協力できたのかな?
保育士向け活用ポイント
- 「協力すること」「友だちを思いやること」を考える教材として活用できます。
- 役割遊びや劇遊びにも展開しやすい作品です。
- 友だち関係が深まる時期の年中〜年長児への読み聞かせに向いています。


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