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あらすじ
むかしむかし、山のふもとのお寺に、元気いっぱいの小僧さんが住んでいました。
ある日、お寺の近くに住むいたずら好きのたぬきが、小僧さんを驚かせようと変身を繰り返します。
けれど小僧さんは少しも怒りません。
やがて、たぬきは大切なことに気づくのでした。
本文
むかしむかし、山のふもとの小さなお寺に、一人の小僧さんが住んでいました。
小僧さんは毎朝早く起きて掃除をし、お経を読み、畑の世話も手伝っていました。
和尚さんはいつも言っていました。
「よく働く、立派な小僧さんだ。」
ある日のことです。
お寺の裏山に住むたぬきが、小僧さんを見つけました。
このたぬきは、とてもいたずら好きでした。
「何か面白いことをして驚かせてやろう。」
たぬきは木の陰に隠れて考えました。
そして突然、大きな犬に変身しました。
「わんわん!」
小僧さんは驚きましたが、すぐに笑いました。
「大きな犬だねえ。」
たぬきは首をかしげました。
「怖がらないぞ。」
次の日。
たぬきは今度は大きな鬼に変身しました。
「がおー!」
小僧さんは少し驚きました。
けれど言いました。
「鬼さんも、お腹がすいているのかな。」
そして、おにぎりを差し出しました。
たぬきはびっくりしました。
「逃げないのか?」
その次の日。
たぬきは今度は大きな岩に変身しました。
小僧さんは笑いました。
「昨日まではなかった岩だなあ。」
「でも、座るのにちょうどいい。」
そう言って腰をかけてしまいました。
たぬきは思わず元の姿に戻ってしまいました。
「参ったなあ。」
「全然驚いてくれない。」
小僧さんは言いました。
「もしかして、君は友だちになりたかったの?」
たぬきは驚きました。
「どうして分かったの?」
小僧さんは笑いました。
「いたずらばかりするのは、遊びたかったからじゃないかな。」
たぬきは恥ずかしそうにうつむきました。
「本当はそうなんだ。」
「山は広いけど、一人は少し寂しくて。」
小僧さんは言いました。
「それなら、今度は一緒に遊ぼう。」
それから二人は仲良しになりました。
畑仕事を手伝ったり、
山でどんぐりを拾ったり、
時には変身ごっこをしたりしました。
和尚さんも笑って言いました。
「いたずらも、誰かを困らせないなら楽しいものだね。」
たぬきはそれから、人を困らせるいたずらをやめました。
そして山の仲間たちとも仲良く暮らしたそうです。
おしまい。
登場人物
- 小僧さん
優しく、相手の気持ちを考えることができる少年。 - たぬき
いたずら好きですが、本当は寂しがり屋の動物。 - 和尚さん
二人を温かく見守るお寺の住職。
教訓
- 相手の行動の奥には気持ちが隠れていることがある。
- 友だちになるためには思いやりが大切。
- 人を困らせるいたずらはしない。
親子で話したいポイント
- たぬきはどうしていたずらをしていたのかな?
- 友だちになりたい時、どうしたらいいかな?
- 誰かが困っている時、どんな声をかける?
保育士向け活用ポイント
- 「問題行動の背景を考える」という保育視点につながります。
- 友だちづくりや仲間づくりの導入教材として活用できます。
- 劇遊びやごっこ遊びにも展開しやすい内容です。


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