猿蟹合戦(さるかにがっせん)

昔話
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あらすじ

むかしむかし、働き者のかにと、少しずる賢い猿がいました。

ある日、二人は道で見つけたおにぎりと柿の種を交換します。

猿はすぐに食べられるおにぎりを手に入れ、かには小さな柿の種を持ち帰りました。

やがて柿の木は大きく育ちますが、猿の欲張りな行動が大きな騒動を引き起こします。

仲間たちの力を借りながら、正直さや助け合いの大切さを学ぶ昔話です。


本文

むかしむかし、川の近くに一匹のかにが住んでいました。

かには毎日一生懸命働いていました。

川辺で食べ物を探したり、小さな畑を手入れしたり、忙しく過ごしていました。

ある日のことです。

かには道ばたで大きなおにぎりを見つけました。

「わあ、おいしそうだな。」

ちょうどその時、向こうから猿がやって来ました。

猿の手には小さな柿の種があります。

猿は言いました。

「そのおにぎりと、この柿の種を交換しないかい?」

かには不思議そうな顔をしました。

「でも、この種は小さいよ?」

猿はにやりと笑いました。

「おにぎりは食べたら終わりだろう?

でも柿の種は木になって、たくさん実がなるんだ。」

かには少し考えました。

「それもそうだね。」

こうして二人は交換しました。

猿はおにぎりをおいしそうに食べました。

かには家へ帰ると、庭に柿の種を植えました。

毎日水をあげました。

「大きくなあれ。」

春が来て芽が出ました。

夏には葉っぱが茂りました。

秋になる頃には、立派な柿の木になっていました。

そして枝には、たくさんの赤い柿が実りました。

「やった!」

かには大喜びです。

ところが、木に登ることができません。

その時、通りかかった猿が言いました。

「僕が取ってあげようか?」

かには嬉しそうに答えました。

「ありがとう!」

猿は木に登りました。

けれど、熟した柿を取るたびに自分で食べてしまいます。

「おいしいなあ!」

「こっちも甘いぞ!」

かには下から言いました。

「僕にもちょうだい!」

すると猿はまだ固い青い柿を投げました。

ころん。

ごつん。

青い柿はかにに当たってしまいました。

かには痛くて動けません。

猿はそのまま逃げてしまいました。

その話を聞いた仲間たちが集まりました。

栗。

はち。

うす。

牛のふん。

みんな、かにの友だちでした。

栗が言いました。

「困っている友だちは助けなくちゃ。」

はちも言いました。

「ずるいことをしたらいけないって教えてあげよう。」

みんなで相談して、猿の家へ向かいました。

猿が帰ってくると、

ぱちん!

栗がはじけて驚かせます。

ぶーん!

はちが飛び回ります。

うすはどっしり動きません。

牛のふんは入口をふさいでいました。

猿はびっくりしました。

「わかった!

もう二度と人をだましたりしない!」

猿は深く頭を下げました。

そして、かにのところへ謝りに行きました。

「ごめんなさい。」

「欲張ってしまったんだ。」

かにはしばらく黙っていました。

そして言いました。

「本当に反省しているなら、また友だちになろう。」

猿は嬉しそうにうなずきました。

次の年。

柿の木にはまたたくさんの実がなりました。

今度は猿が木に登って柿を取りました。

けれど今度は違います。

「これはかにさんの分。」

「これはみんなの分。」

みんなで一緒に柿を食べました。

甘い柿は、一人で食べるよりずっとおいしく感じました。

それから猿は、欲張ることなく、みんなと仲良く暮らしたそうです。

おしまい。


登場人物

  • かに
    真面目で働き者の主人公。

  • 少し欲張りでずる賢い性格ですが、最後には反省します。

  • かにを助ける頼もしい仲間。
  • はち
    正義感の強い仲間。
  • うす
    どっしり構えた力持ちの仲間。
  • 牛のふん
    作戦を手伝う仲間。

教訓

  • 欲張りすぎると大切なものを失ってしまう。
  • 正直でいることはとても大切。
  • 困っている友だちを助けることは大切なこと。

親子で話したいポイント

  • 猿はどうして欲張ってしまったのかな?
  • 誰かと分け合うと嬉しくなることはある?
  • 「ごめんなさい」を言うことはなぜ大切なんだろう?

保育士向け活用ポイント

  • 「謝ること」と「許すこと」の両方を考えるきっかけになります。
  • 仲間と協力する大切さを伝える教材として活用できます。
  • 劇遊びでは登場人物が多く、役割分担がしやすいため発表会にも向いています。

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