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あらすじ
むかしむかし、貧しいけれど心優しいおじいさんがいました。
ある日、おじいさんは山道で弱った小鳥を助けます。
その後、おじいさんは不思議な力を授かり、鳥を飲み込むことで、その鳥の鳴き声を出せるようになります。
その力を人のために使うおじいさんでしたが、欲張りな隣のおじいさんが真似をしたことで、大変なことが起こります。
本文
むかしむかし、ある村に、正直で優しいおじいさんが住んでいました。
おじいさんは小さな畑を耕しながら、毎日まじめに暮らしていました。
裕福ではありませんでしたが、
「困っているものがいたら助けてあげよう。」
という優しい心を持っていました。
ある日のこと。
おじいさんが山へ薪を拾いに行くと、道ばたに一羽の小鳥が倒れていました。
羽は傷つき、
今にも飛べなくなりそうです。
「かわいそうに。」
おじいさんは小鳥をそっと抱き上げました。
家へ連れて帰り、水を飲ませ、傷を手当てしました。
数日すると、小鳥は元気になりました。
そして、おじいさんの肩に乗ると、
「チュンチュン。」
と、きれいな声で鳴きました。
「元気になってよかったな。」
おじいさんが言うと、小鳥は空へ飛んでいきました。
その夜のことです。
おじいさんが眠っていると、不思議な夢を見ました。
夢の中に山の神様が現れました。
「お前は弱い命を大切にした。」
「その優しい心に、特別な力を授けよう。」
神様はそう言いました。
「鳥を一羽飲み込むと、その鳥の声を出せるようになる。」
「ただし、その力を悪いことに使ってはいけない。」
おじいさんは目を覚ましました。
「なんとも不思議な夢だったな。」
次の日、おじいさんは山へ行きました。
すると、きれいな鳥が一羽飛んできました。
「本当に力があるのだろうか。」
おじいさんが試してみると、不思議なことが起こりました。
なんと、その鳥と同じ美しい声で鳴けるようになったのです。
「これはすごい。」
おじいさんは驚きました。
しかし、おじいさんは自分だけ楽しむことはしませんでした。
村の子どもたちに鳥の声を聞かせたり、
病気のおばあさんを元気づけたり、
みんなを笑顔にするために使いました。
村の人たちは喜びました。
「おじいさんのおかげで村が明るくなった。」
ところが、その話を聞いた隣のおじいさんは面白くありません。
「そんな不思議な力があるなら、わしも欲しい。」
隣のおじいさんは欲張りでした。
「きっと珍しい鳥を飲み込めば、もっとすごい声が出るに違いない。」
そう考えました。
そして山へ行き、無理やり鳥を捕まえました。
「これでわしも人気者だ。」
そう言って鳥を飲み込みます。
すると――
「カーカー!」
なんと、出てきた声は立派な鳥の声ではありません。
カラスのような鳴き声でした。
隣のおじいさんは慌てました。
「おかしい!」
「もっと別の鳥なら!」
次々と鳥を飲み込みました。
すると、
ピーピー、
ホーホー、
ギャーギャー。
いろいろな鳥の声が混ざり、何を話しているのか分からなくなってしまいました。
村の人たちは驚きました。
「どうしたんですか?」
隣のおじいさんは恥ずかしくなりました。
そこへ、優しいおじいさんがやってきました。
「力は、自分を目立たせるためではなく、人を幸せにするために使うものですよ。」
隣のおじいさんは反省しました。
「わしは欲張ってしまった。」
「本当に大切なものを忘れていたよ。」
それから隣のおじいさんも、少しずつ優しい人になりました。
二人のおじいさんは仲良く暮らし、村にはいつも鳥の声と笑い声が響いていたそうです。
おしまい。
登場人物
- 優しいおじいさん
小鳥を助け、不思議な力を授かる主人公。 - 隣のおじいさん
欲張ったことで失敗し、大切なことを学ぶ人物。 - 小鳥
おじいさんの優しさのきっかけになる存在。 - 山の神様
おじいさんに不思議な力を授ける存在。
教訓
- 優しい心は、思いがけない幸せにつながる。
- どんな力も、使い方が大切。
- 欲張ると大切なものを失ってしまう。
親子で話したいポイント
- おじいさんはなぜ小鳥を助けたのかな?
- もし特別な力があったら、何に使いたい?
- 欲張るとどうして失敗することがあるのかな?
保育士向け活用ポイント
- 「思いやり」「感謝」「欲張らない心」を伝える教材として活用できます。
- 動物との関わりや命を大切にする気持ちを育むきっかけになります。
- 鳥の鳴き声遊びや表現遊び、動物への興味につなげる活動にも発展できます。


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