あらすじ
クリスマスの夜、少女クララは不思議なくるみ割り人形をプレゼントされます。
夜になり、みんなが眠ったころ、クララの目の前でくるみ割り人形が動き始めました。
そこへ現れたのは、ねずみの王とたくさんのねずみたち。
くるみ割り人形と一緒に戦ったクララは、やがて王子に導かれ、夢のような世界へ旅立ちます。
本文
クリスマスの夜。
クララの家では、家族みんなで楽しい時間を過ごしていました。
きれいに飾られたクリスマスツリー。
たくさんのごちそう。
そして、子どもたちが楽しみにしていたプレゼント。
そこへ、クララの名づけ親がやってきました。
「クララ、これをプレゼントしよう。」
渡されたのは、少し変わった顔をした、くるみ割り人形でした。
「わあ、かわいい!」
クララはすぐに人形を気に入りました。
大切そうに抱きかかえ、何度も眺めます。
楽しいクリスマスの夜が終わり、やがて家の中は静かになりました。
みんなが眠ったころ、クララはくるみ割り人形のことが気になり、そっと様子を見に行きました。
すると――
ボーン、ボーン。
時計が大きな音を立てました。
ちく、たく。
ちく、たく。
そのときです。
クララの目の前で、くるみ割り人形が少しずつ大きくなっていきました。
「えっ……?」
クララが驚いていると、部屋のあちこちから物音が聞こえてきます。
カサカサ。
ガサガサ。
たくさんのねずみが現れたのです。
その先頭には、大きなねずみの王がいました。
すると、くるみ割り人形も兵隊の人形たちを率いて動き始めました。
ねずみたちと人形たちの戦いが始まります。
クララは怖くなりました。
それでも、くるみ割り人形が危ない目にあっているのを見ると、じっとしてはいられません。
クララも夢中でくるみ割り人形を助けました。
やがて戦いは終わり、ねずみたちはいなくなりました。
すると、不思議なことが起こりました。
くるみ割り人形の姿がみるみる変わっていき、美しい王子になったのです。
「助けてくれてありがとう、クララ。」
王子はクララに手を差し出しました。
「さあ、一緒に行きましょう。」
クララは王子とともに、不思議な世界へ旅立ちました。
二人が最初に訪れたのは、雪に包まれた森でした。
真っ白な雪がキラキラと輝き、まるで踊っているように舞っています。
さらに進んでいくと、今度は甘いお菓子に囲まれた夢のような国へたどり着きました。
美しい音楽が流れ、華やかな踊りが始まります。
クララは王子と一緒に、次々と現れる不思議な景色を楽しみました。
どれくらいの時間が過ぎたのでしょう。
気がつくと、クララは自分の家にいました。
朝の光が部屋に差し込んでいます。
そばを見ると、あのくるみ割り人形がありました。
けれど、もう動いてはいません。
いつものくるみ割り人形です。
クララは人形をそっと抱き上げました。
「昨日のことは、夢だったのかしら。」
くるみ割り人形は何も答えません。
それでもクララは、あの不思議な夜のことを思い出しながら、くるみ割り人形を大切そうに抱きしめたのでした。
おしまい。
登場人物
- クララ
クリスマスにくるみ割り人形をもらった少女。不思議な出来事に巻き込まれていきます。 - くるみ割り人形・王子
クララが大切にしている人形。ねずみたちとの戦いのあと、王子の姿になります。 - ねずみの王
たくさんのねずみを率いて、くるみ割り人形たちと戦います。 - 名づけ親
クリスマスの夜、クララにくるみ割り人形をプレゼントします。
親子で話したいポイント
- くるみ割り人形が動き出したとき、クララはどんな気持ちだったかな?
- 自分のおもちゃが夜に動き出したら、何をしてみたい?
- 不思議な国へ行けるなら、どんな場所へ行ってみたい?
保育士向け活用ポイント
クリスマスの雰囲気と不思議な冒険を楽しめるため、クリスマス会の読み聞かせや劇遊びにも取り入れやすいお話です。
雪の森やお菓子の国をイメージした製作を楽しんだり、音楽に合わせて踊ったりと、物語からさまざまな表現遊びへ広げられます。


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