あらすじ
夜の道を「どん、どん」と音を立てて走る、一つの車輪の妖怪「片輪車」。
幼い子どもをさらうという怖い伝承もあり、夜道に現れる恐ろしい妖怪として語られてきました。
本文
むかしむかし、夜になると、一人で通ってはいけないと言われている道がありました。
その道には、夜な夜な一つの大きな車輪が現れるというのです。
ある夜のこと。
一人の旅人が、その道を歩いていました。
すると、遠くから不思議な音が聞こえてきました。
「どん、どん、どん……」
旅人は立ち止まり、後ろを振り返りました。
すると、大きな車輪が一つ、こちらへ向かって転がってきます。
「何だ、あれは?」
車輪は止まりません。
「どん、どん、どん……」
音を響かせながら、どんどん近づいてきます。
驚いた旅人は、あわてて道の端へよけました。
すると車輪は、旅人の前を通り過ぎ、そのまま暗い夜道の向こうへ走り去っていきました。
旅人が町へ戻り、その出来事を話すと、人々は言いました。
「それは片輪車だ。夜道には気をつけなさい」
それからも、その道では夜になると、
「どん、どん、どん……」
と、片輪車が走る音が聞こえることがあったということです。
おしまい。
登場人物
旅人
夜道を歩いているときに、片輪車に出会った人物。
片輪車
夜道に現れ、一つの大きな車輪で走るとされる妖怪。
町の人々
片輪車についての言い伝えを知っている人々。
教訓
暗い夜道には、昼間とは違った危険があります。
片輪車のような恐ろしい妖怪の話は、夜の道に近づく怖さとともに語り継がれてきました。
親子で話したいポイント
- 夜道に一人で行ってはいけないのはなぜ?
- 暗い場所では、どんなことに気をつけたらいい?
- 自分なら、どんな乗り物の妖怪を考える?
保育士向け活用ポイント
夜道や交通安全について話すきっかけにしやすい妖怪のお話です。
「暗い道ではどんなことに気をつける?」と子どもたちと話したり、車輪をモチーフにした製作や、オリジナルの乗り物妖怪を考える活動にもつなげられます。


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