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あらすじ
むかしむかし、ある村に、何でも大げさに話す男がいました。
本当は小さな出来事でも、まるで大冒険をしたように話すので、村の人たちは「また始まった」と笑っていました。
しかし、ある日、その男の大げさな話が思わぬ形で役に立つことになります。
「想像する力」や「言葉の面白さ」を楽しむ昔話です。
本文
むかしむかし、ある村に太郎という男が住んでいました。
太郎は働き者ではありましたが、一つだけ困ったところがありました。
それは、
話をする時に、何でも大きくしてしまうことでした。
ある日、太郎が村へ帰ってきました。
村人が聞きました。
「今日はどこへ行っていたんだい?」
すると太郎は胸を張りました。
「それはもう、大変な旅だったよ。」
「山を十個も越え、川を百本も渡り、恐ろしい獣と戦ったんだ。」
村人たちは目を丸くしました。
「本当かい?」
太郎はうなずきます。
「もちろんだとも。」
しかし、よく聞いてみると、
山は一つ。
川は小さな小川。
獣というのも、森で出会った一匹の犬でした。
村人たちは笑いました。
「太郎の話は面白いけど、少し大げさだな。」
太郎は気にしません。
「話は楽しい方がいいじゃないか。」
と言っていました。
ある日のこと。
村に困ったことが起こりました。
村の近くの山で、大きな岩が崩れ、道がふさがってしまったのです。
村人たちは困りました。
「これでは町へ行けない。」
「どうしたらいいだろう。」
すると太郎が言いました。
「任せてくれ!」
村人たちは少し心配しました。
「また大げさな話じゃないだろうね。」
太郎は笑いました。
「今度は本当の話だ。」
太郎は村のみんなと力を合わせ、岩を少しずつ動かしました。
「一人では無理でも、みんなでやればできる。」
そう言って、一生懸命働きました。
何日もかけて、とうとう道を開くことができました。
村人たちは喜びました。
「太郎、ありがとう。」
太郎は言いました。
「本当のすごさは、話を大きくすることじゃないんだね。」
「みんなで力を合わせて、本当にできたことの方がずっと嬉しいよ。」
それから太郎は、相変わらず楽しい話をすることはありました。
でも、嘘で人をだますのではなく、
みんなを笑顔にするために話すようになりました。
村の人たちは言いました。
「太郎の話は面白い。そして今は、心も立派になった。」
それから村では、楽しい話と本当の行動を大切にするようになったそうです。
おしまい。
登場人物
- 太郎
話を面白くするのが得意な男。 - 村人たち
太郎の話を楽しみながら見守る人々。
教訓
- 言葉は人を楽しませる力がある。
- でも、嘘で人を困らせてはいけない。
- 本当に大切なのは行動すること。
親子で話したいポイント
- 太郎の話はどうして面白かったのかな?
- 嘘と楽しい話の違いは何だろう?
- 自分ならどんな冒険の話を作る?
保育士向け活用ポイント
- 想像力や表現力を育てる読み聞かせに適しています。
- 「もし○○だったら?」という創作遊びにつなげられます。
- 4〜5歳児の言葉遊びや劇遊びの題材として活用できます。


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