やまんばと小僧(やまんばとこぞう)

昔話
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あらすじ

むかしむかし、山奥に恐ろしいやまんばが住んでいました。

ある寺の小僧が山道でやまんばに出会います。

小僧は怖がりながらも知恵を働かせ、やまんばから逃げる方法を考えます。

力ではかなわない相手にも、知恵と勇気で立ち向かうことができるという昔話です。


本文

むかしむかし、深い山の中に小さなお寺がありました。

そのお寺には、まだ幼い小僧さんが住んでいました。

小僧さんは、お坊さんのお手伝いをしながら毎日まじめに暮らしていました。

ある日のこと。

お坊さんは小僧さんに言いました。

「山の向こうの村まで、お使いに行ってきておくれ。」

「ただし、帰り道は暗くなる前に戻るんだよ。」

「山には、やまんばが出るという話があるからね。」

小僧さんは少し怖くなりました。

「やまんば……。」

でも、大切なお使いです。

「分かりました。」

と言って出かけました。

村で用事を済ませた小僧さんでしたが、帰り道に時間がかかってしまいました。

気がつくと、空はだんだん暗くなっています。

山の中を歩いていると、

ガサガサ……

と、草むらが揺れました。

「誰かいるのかな?」

振り向くと、そこには大きな体のやまんばが立っていました。

髪はぼさぼさ、

目はぎょろぎょろ。

小僧さんは震えました。

「おやおや、小僧さん。」

「こんなところで何をしているんだい?」

やまんばは近づいてきました。

小僧さんは考えました。

「力では絶対にかなわない。」

「どうしたら逃げられるだろう。」

すると、小僧さんは思いつきました。

「やまんばさん。」

「私はあなたのところへ行く途中でした。」

やまんばは驚きました。

「なんだって?」

小僧さんは続けました。

「私のお寺には、とても大きなまんじゅうがあります。」

「でも、それを食べるには特別なお経を唱えなければいけません。」

やまんばは食べ物の話に興味を持ちました。

「そのまんじゅうを見せておくれ。」

小僧さんは言いました。

「まず、お寺へ来てください。」

やまんばは小僧さんについて行きました。

お寺へ着くと、小僧さんは急いでお坊さんに事情を話しました。

お坊さんはすぐに考えました。

そして大きな桶を用意しました。

「やまんばさん、この中に入ると、おいしいまんじゅうが出てきますよ。」

やまんばが桶の中を見ると、そこには水が入っていました。

「本当に?」

やまんばが身を乗り出した瞬間、

ドボン!

やまんばは桶の中に落ちました。

小僧さんとお坊さんは急いで蓋を閉めました。

やまんばは怒りました。

「出しておくれ!」

しかし、お坊さんは言いました。

「人を困らせることはいけません。」

「もう悪さをしないと約束するなら出してあげましょう。」

やまんばは反省しました。

「分かったよ。」

「もう人を怖がらせたりしない。」

こうしてやまんばは山へ帰っていきました。

それからというもの、山では不思議なことに、人が困るようなことは起きなくなりました。

小僧さんは言いました。

「怖い相手でも、よく考えれば方法は見つかるんだね。」

お坊さんは笑いました。

「本当の勇気とは、怖くないことではない。」

「怖くても、考えて行動することなんだよ。」

おしまい。


登場人物

  • 小僧さん
    知恵と勇気で困難を乗り越える主人公。
  • やまんば
    恐ろしい存在として登場するが、最後には反省する。
  • お坊さん
    小僧を助け、正しい道を教える存在。

教訓

  • 勇気とは、怖くても考えて行動すること。
  • 知恵を使えば大きな困難も乗り越えられる。
  • 相手を思いやることが大切。

親子で話したいポイント

  • 小僧さんはどうして逃げられたのかな?
  • 怖い時、どうしたらいいかな?
  • 勇気がある人ってどんな人?

保育士向け活用ポイント

  • 「考える力」「困難への向き合い方」を育む教材になります。
  • やまんばの怖さだけでなく、小僧の知恵や勇気に注目できます。
  • 劇遊びでは、やまんば役・小僧役など表現活動に発展できます。

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