ろくろ首(ろくろくび)

日本の昔話
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あらすじ

むかしむかし、人間の姿をして暮らしているけれど、夜になると首が伸びるという「ろくろ首」がいました。

ある旅人が、宿で不思議な女性と出会います。

怖い存在として知られるろくろ首ですが、この話では、人の心の弱さや寂しさも描かれています。


本文

むかしむかし、ある旅人が長い旅の途中で、小さな村に泊まることになりました。

日が暮れてきたので、一軒の宿を見つけました。

「今晩はこちらで泊めてもらえませんか。」

宿の主人は、

「もちろんです。」

と旅人を迎え入れました。

宿には、一人の美しい娘がいました。

娘は優しく、

「お食事の準備ができました。」

と旅人をもてなしました。

旅人は思いました。

「なんて親切な人だろう。」

その夜、旅人が眠っていると――

ふと、目が覚めました。

すると、部屋の隅から何かが動く気配がします。

「誰かいるのかな?」

恐る恐る見ると……

なんと、娘の首が長く伸びているではありませんか。

首はにょろにょろと伸び、部屋の外へ向かっています。

旅人は驚きました。

「まさか……ろくろ首!」

旅人は声を出さず、じっと様子を見ていました。

しばらくすると、伸びていた首は元に戻りました。

次の日の朝。

旅人は宿を出ようとしました。

すると娘が悲しそうな顔をして言いました。

「私は人とは違う姿をしています。」

「みんなに怖がられるのがつらいのです。」

旅人は気づきました。

「あなたも、好きでそうなったわけではないのですね。」

娘はうつむきました。

「誰にも理解してもらえないと思っていました。」

旅人は言いました。

「見た目だけで人を決めつけてはいけません。」

「あなたには優しい心があります。」

娘は涙を流しました。

それから旅人は村を離れました。

そして出会った人々に言いました。

「怖そうに見えるものでも、本当の姿は違うかもしれない。」

「相手の心を見ることが大切なのだ。」

その話は、やがて村から村へ伝わっていきました。

おしまい。


登場人物

  • 旅人
    ろくろ首の本当の気持ちに気づく人物。
  • ろくろ首の娘
    見た目とは違い、優しい心を持つ女性。
  • 宿の主人
    娘を見守る存在。

教訓

  • 見た目だけで相手を判断してはいけない。
  • 誰にでも悩みや苦しみがある。
  • 相手を理解しようとする気持ちが大切。

親子で話したいポイント

  • 娘さんはどうして悲しかったのかな?
  • 怖く見えるものでも、優しい心を持っていることはあるかな?
  • 友だちの良いところを見つけられるかな?

保育士向け活用ポイント

  • 怖い話としてだけでなく、「違いを認める」「相手を理解する」教材として活用できます。
  • ハロウィンや妖怪文化への興味にもつなげられます。
  • 年長児〜小学生向けで、想像力や対話を広げる題材になります。

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