読了時間:約6分
あらすじ
むかしむかし、山のふもとに心優しいおじいさんとおばあさんが暮らしていました。
ある日、おじいさんがお昼ごはんのおむすびを持って山へ出かけると、ひょんなことから不思議な穴へ転がり落ちてしまいます。
その穴の中には、かわいいねずみたちが暮らしていました。
優しい心を持つおじいさんは、ねずみたちから素敵なお礼をもらいます。
一方、欲張りな人は同じようにはいきません。
本文
むかしむかし、山の近くの小さな家に、おじいさんとおばあさんが仲良く暮らしていました。
二人の暮らしは決して豊かではありませんでした。
毎日畑を耕し、山へ薪を取りに行き、力を合わせて生活していました。
でも、おじいさんとおばあさんはいつも笑顔でした。
「今日も元気に働けることが幸せだね。」
二人はそう言いながら暮らしていました。
ある日のことです。
おじいさんは山へ木を取りに出かけることになりました。
おばあさんは、お昼ごはんに食べられるように、おむすびを作ってくれました。
「お腹が空いたら食べてくださいね。」
「ありがとう。帰ってきたら一緒に夕ごはんを食べよう。」
おじいさんはおむすびを持って山へ向かいました。
山で一生懸命働いていると、お腹が空いてきました。
「そろそろお昼にしよう。」
おじいさんは木の下に座り、おむすびを取り出しました。
「いただきます。」
大きなおむすびを一口食べようとした、その時です。
手からおむすびがころりと転がってしまいました。
「あっ!」
おむすびは坂道をころころ転がっていきます。
おじいさんは急いで追いかけました。
「待っておくれ。」
ころころ。
ころころ。
おむすびは小さな穴の中へ入っていきました。
「おや?こんなところに穴があったのか。」
すると、穴の中から不思議な声が聞こえてきました。
「おむすびころりん、すっとんとん。」
「おむすびころりん、すっとんとん。」
おじいさんは驚きました。
でも、怖い声ではありません。
楽しそうな歌声でした。
穴の中をのぞいてみると、そこにはたくさんのねずみたちがいました。
ねずみたちは、おむすびを見て大喜びしています。
「わあ、おいしいおむすびだ!」
「こんなに優しい贈り物をありがとう。」
おじいさんは言いました。
「それは私のお昼ごはんだったけれど、みんなが喜んでくれるなら嬉しいよ。」
ねずみたちは大喜びしました。
「なんて優しいおじいさんでしょう。」
そして、ねずみたちはおじいさんを穴の中へ招きました。
穴の中には、美しい部屋がありました。
ねずみたちは歌を歌い、ごちそうを用意してくれました。
おじいさんは楽しい時間を過ごしました。
帰る時間になると、ねずみたちは言いました。
「優しいおじいさんへ、お礼をしたいです。」
そう言って、小さな箱を渡しました。
「家へ帰ってから開けてください。」
おじいさんはお礼を言い、家へ戻りました。
家に帰って箱を開けると、中にはたくさんの宝物が入っていました。
おばあさんは驚きました。
「まあ、どうしたのでしょう。」
おじいさんは今日あったことを話しました。
二人は言いました。
「ねずみさんたちが喜んでくれたことが一番嬉しいね。」
その話を聞いた近所の欲張りなおじいさんは考えました。
「自分も宝物をもらおう。」
そして、同じようにおむすびを穴へ転がしました。
「おむすびころりん、すっとんとん。」
ねずみたちは出てきました。
しかし、欲張りなおじいさんは言いました。
「もっと大きなお礼をくれ!」
ねずみたちは困ってしまいました。
「優しい気持ちでくれたおむすびだから嬉しかったのに……。」
欲張る心では、幸せはやってきません。
欲張りなおじいさんは反省しました。
それからは、人に優しくすることを心がけました。
優しい心は、いつか自分にも優しい出来事を運んできてくれる。
おむすびころりんのお話は、そんな大切なことを教えてくれるのでした。
おしまい。
登場人物
- おじいさん
優しく思いやりのある人物。 - おばあさん
おじいさんを支える温かい人物。 - ねずみたち
おじいさんの優しさに感謝し、お礼をする存在。 - 欲張りなおじいさん
欲張る気持ちによって大切なことを学ぶ人物。
教訓
- 見返りを求めない優しさは、人の心を動かす。
- 欲張るより、感謝する気持ちが大切。
- 相手が喜ぶことをする心を持つ。
親子で話したいポイント
- 誰かに親切にしたことはある?
- おじいさんはどうしてねずみさんに喜ばれたのかな?
- プレゼントをもらう時、大切な気持ちは何かな?
保育士向け活用ポイント
- 「思いやり」「感謝」「分け合う心」を育む教材として活用できます。
- 劇遊びでは、おじいさん・ねずみ・おばあさんなど役割が分かりやすく展開できます。
- 年少児から年長児まで幅広く活用できる定番教材です。


コメント