読了時間:約8分
あらすじ
むかしむかし、あるところに貧しいけれど心の優しい若者がいました。
ある日、若者は傷ついた小鳥を助けます。
その鳥は不思議な力を持つ「めっけ鳥」でした。
鳥の恩返しによって幸せを手に入れますが、欲張る人は同じ幸せを得ることができませんでした。
本文
むかしむかし、山のふもとの小さな村に、貧しい若者が住んでいました。
若者はお金もなく、毎日一生懸命働いていました。
けれど、困っているものを見ると放っておけない優しい心を持っていました。
ある日のこと。
若者が山道を歩いていると、道ばたに一羽の小鳥が倒れていました。
羽は傷つき、飛ぶことができません。
「かわいそうに。」
若者は小鳥を抱き上げました。
「大丈夫だよ。元気になるまで面倒を見るからね。」
若者は家へ連れて帰り、
水をあげ、
傷を手当てし、
毎日大切に世話をしました。
数日すると、小鳥はすっかり元気になりました。
ある朝、小鳥は若者の肩に止まりました。
そして不思議な声で言いました。
「助けてくれてありがとう。」
若者は驚きました。
「鳥が話をした!」
小鳥は言いました。
「私は山に住むめっけ鳥です。」
「あなたの優しい心のお礼をしたいのです。」
小鳥は空へ飛び立つと、しばらくして戻ってきました。
くちばしには、小さな種をくわえています。
「この種を庭に植えてください。」
若者が言われた通り植えると、次の日には大きな木が生えていました。
その木には、見たこともないほど美しい実がなりました。
若者がその実を売ると、たくさんのお金になりました。
しかし、若者は欲張りませんでした。
「必要な分だけいただいて、残りは困っている人に分けよう。」
村の人たちは喜びました。
ところが、その話を聞いた隣の男は言いました。
「自分も同じようにすれば、お金持ちになれるぞ。」
隣の男は、無理やり鳥を捕まえて言いました。
「さあ、私にも宝物を出せ。」
しかし、優しい気持ちのない人には、不思議な力は働きません。
どんなに待っても、何も起こりませんでした。
隣の男は怒りました。
「なぜだ!」
すると、めっけ鳥は言いました。
「幸せは、欲しいと思うだけでは手に入りません。」
「優しい心があるからこそ、幸せはやってくるのです。」
男は自分の間違いに気づきました。
それから少しずつ、人に優しくするようになりました。
若者はその後も、助け合いながら村で暮らしました。
村の人々は言いました。
「優しい心は、何よりも大切な宝物だね。」
おしまい。
登場人物
- 若者
小鳥を助ける心優しい主人公。 - めっけ鳥
恩返しをする不思議な鳥。 - 隣の男
欲張ることで大切なことに気づく人物。
教訓
- 優しい行いは、巡り巡って返ってくる。
- 欲張る心より、思いやる心が大切。
- 本当の宝物は物ではなく心の豊かさ。
親子で話したいポイント
- 若者はどうして鳥を助けたのかな?
- もし不思議な力があったら何に使いたい?
- 優しい気持ちはどうやって広がるかな?
保育士向け活用ポイント
- 「思いやり」「命を大切にする心」を育てる題材になります。
- 動物との関わりや恩返しをテーマにした劇遊びへ展開できます。
- 子ども自身の「誰かを助けた経験」を振り返る活動にもつなげられます。


コメント