町のねずみと田舎のねずみ|世界の名作・昔話(イソップ童話)

世界の名作・昔話
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あらすじ

むかしむかし、町に住むねずみと、田舎に住むねずみがいました。

ある日、町のねずみが田舎のねずみを町へ招待します。

町にはおいしいごちそうがたくさんありましたが、その暮らしには思わぬ危険もありました。

「本当の幸せとは何か」「自分に合った暮らしを大切にすること」を教えてくれる世界の名作です。


本文

むかしむかし、静かな田舎に一匹のねずみが住んでいました。

毎日、木の実や麦を集めながら、のんびり暮らしています。

ある日、町に住むいとこのねずみが遊びに来ました。

田舎のねずみは言いました。

「ごちそうはないけれど、一緒に食べよう。」

木の実や野菜を並べると、町のねずみは少し困った顔をしました。

「ありがとう。」

「でも、町にはもっとおいしい食べ物がたくさんあるんだ。」

「今度、ぼくの家へ遊びにおいでよ。」

数日後。

田舎のねずみは町へ出かけました。

町の家には、大きなテーブルいっぱいにパンやチーズ、お菓子や果物が並んでいました。

「わあ!」

「こんなにたくさん!」

二匹が楽しく食べ始めたその時です。

ガタン!

扉が開きました。

「誰か来た!」

二匹はあわてて物陰へ隠れました。

しばらくすると静かになりました。

「もう大丈夫かな。」

また食べ始めると……

今度は、

「ワン! ワン!」

大きな犬が走ってきました。

二匹は必死に逃げました。

やっと落ち着いた田舎のねずみは、深呼吸をしました。

「ごちそうはとてもおいしかった。」

「でも、いつもびくびくしながら食べるのは落ち着かないな。」

町のねずみは少し考えました。

「たしかに。」

「町は便利だけど、危ないことも多いんだ。」

田舎のねずみは笑顔で言いました。

「ぼくは田舎へ帰るよ。」

「ごちそうは少なくても、安心して食べられるほうが幸せだから。」

町のねずみも笑いました。

「それぞれに合った暮らしがあるんだね。」

それから二匹は、お互いの暮らしを認め合いながら、時々会って近況を話す友だちであり続けました。

おしまい。


登場人物

田舎のねずみ

自然の中で穏やかに暮らす主人公。安心できる毎日を大切にしています。

町のねずみ

町で便利な暮らしをしている主人公。たくさんのごちそうに囲まれていますが、危険も多い生活を送っています。


教訓

  • 本当の幸せは、人それぞれ違う。
  • 豊かさは、物の多さだけでは決まらない。
  • 安心して暮らせることも、大切な幸せの一つである。

親子で話したいポイント

  • あなたなら、町と田舎のどちらに住みたいかな?
  • 「幸せ」って、どんなことだと思う?
  • おいしいご飯と安心して食べられるご飯、どちらが大切だと思う?
  • 自分にとって安心できる場所はどこかな?

保育士向け活用ポイント

  • 「一人ひとり違っていい」という多様性の考え方を伝える読み聞かせにおすすめです。
  • 子どもたちと「自分が安心できる場所」や「安心して過ごせる環境」について話し合うきっかけになります。
  • インクルーシブ保育や子どものウェルビーイング(心身の幸福)の視点とも結び付けやすい作品です。
  • 保育環境づくりにおいて、「子どもが安心して過ごせる空間」の大切さを振り返る教材としても活用できます。

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