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あらすじ
むかしむかし、海の近くの村に、働き者だけれど貧しい兄と、少し欲張りな弟が住んでいました。
ある日、兄は山の奥で不思議な小人たちを助け、お礼に「回すと何でも出てくる臼」をもらいます。
兄はその臼を使って家族を助け、村の人たちにも分け与えながら暮らしていました。
しかし、その話を聞いた弟は、自分もたくさんの宝を手に入れようと考えます。
やがて、その臼が海の塩の秘密につながっていくのでした。
本文
むかしむかし、海辺の村に兄と弟が住んでいました。
兄は毎日畑を耕し、魚を取り、真面目に働いていました。
けれど暮らしは決して楽ではありません。
一方、弟は少し欲張りなところがありました。
「もっと楽に暮らしたい。」
「もっとたくさんお金が欲しい。」
といつも考えていました。
ある冬の日、兄が山道を歩いていると、小さな声が聞こえてきました。
「助けてください。」
見ると、小人たちが大きな木の下敷きになって困っています。
兄は急いで木をどかしてあげました。
「大丈夫かい?」
小人たちは何度も頭を下げました。
「助けてくださってありがとうございます。」
「お礼に、これを差し上げます。」
そう言って渡されたのは、小さな石の臼でした。
兄は不思議そうな顔をします。
小人たちは言いました。
「右へ回してほしいものを言うと、それが出てきます。」
「止めたい時は、左へ回してください。」
兄は家へ帰ると試してみました。
「お米が欲しい。」
すると――
さらさらさら。
臼からお米が出てきました。
「魚が欲しい。」
すると今度は新鮮な魚が出てきます。
兄は驚きました。
けれど兄は必要な分だけを出して、必ず臼を止めました。
余った食べ物は近所の人にも分けました。
村の人たちは喜びました。
「ありがとう。」
「助かるよ。」
やがて村では、
「困った時は助け合おう。」
という輪が広がっていきました。
その話を聞いた弟は言いました。
「そんな便利なものがあるなら、私が使った方がいい。」
弟は兄から臼を借りました。
そして船に積み込みました。
「金貨を出せ!」
「宝石を出せ!」
臼は次々と宝を出します。
弟は大喜びです。
ところが、しばらくすると弟は塩が欲しくなりました。
「塩を出してくれ!」
すると臼から塩が出始めました。
さらさら。
さらさら。
船の上はあっという間に塩だらけです。
「もういい!」
弟は叫びました。
けれど止め方を聞いていなかったのです。
塩はどんどん出続けます。
船は重くなり、ついには海へ沈んでしまいました。
それでも臼は海の底で回り続けました。
さらさら。
さらさら。
こうして海にはたくさんの塩が溶け込み、海水はしょっぱくなったと言われています。
弟は無事に助け出されました。
そして兄に言いました。
「私は欲張りすぎていた。」
兄は笑って言いました。
「便利なものほど、使い方が大事なんだよ。」
それから兄弟は力を合わせて働くようになりました。
そして村の人たちと助け合いながら暮らしたそうです。
おしまい。
登場人物
- 兄
働き者で優しい性格の男性。 - 弟
少し欲張りですが、最後には反省する男性。 - 小人たち
山で兄に助けられる不思議な存在。 - 塩ふき臼
回すと願ったものを出してくれる不思議な臼。
教訓
- 欲張りすぎると失敗につながることがある。
- 力や道具は使い方が大切。
- 持っているものを分け合う心は人を幸せにする。
親子で話したいポイント
- お兄さんはなぜ村の人に分けてあげたのかな?
- 弟はどこで失敗してしまったんだろう?
- 「ちょうどいい量」ってどれくらいだろう?
保育士向け活用ポイント
- 「物を大切に使うこと」や「適量を知ること」を考える食育活動につなげられます。
- SDGsや資源の使い方について話し合う導入教材としても活用できます。
- 海がしょっぱい理由を説明する昔の人の想像力に触れる機会にもなります。


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