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あらすじ
むかしむかし、あるところに、怖いものが何もないと言う男がいました。
仲間たちが「何が怖いのか」と聞くと、その男は「まんじゅうが怖い」と言います。
みんなは面白がって、たくさんのまんじゅうを用意しますが……。
最後には、知恵を使った楽しいどんでん返しが待っています。
本文
むかしむかし、ある町に、何人かの男たちが集まって話をしていました。
「お前さんは、何か怖いものはあるかい?」
一人が尋ねると、
「俺は何も怖くないぞ。」
と、自信満々に言う男がいました。
「本当かい?」
「じゃあ、何でもいいから怖いものを言ってみな。」
みんなが聞くと、その男は少し考えました。
そして言いました。
「うーん……。」
「実は、まんじゅうが怖いんだ。」
それを聞いた仲間たちは大笑いしました。
「まんじゅうだって?」
「そんなものが怖い人がいるなんて!」
男たちは面白がりました。
「それなら、お前を驚かせてやろう。」
そう言って、町中からたくさんのまんじゅうを買ってきました。
大きなまんじゅう、
小さなまんじゅう、
あんこの入ったまんじゅう。
部屋いっぱいになるほど集めました。
「これを見たら、きっと怖がるぞ。」
男たちは隠れて様子を見ることにしました。
すると、「まんじゅうが怖い」と言っていた男が部屋へ入ってきました。
「ああ……。」
男はまんじゅうを見ると、震え始めました。
「怖い……。」
「こんなにたくさんのまんじゅうを見るなんて……。」
仲間たちは大喜びしました。
「やっぱり本当に怖いんだ!」
ところが、しばらくすると不思議なことが起こりました。
男は一つ、まんじゅうを手に取りました。
そして、
「ぱくっ。」
食べ始めたのです。
「おいしいなぁ。」
一つ。
また一つ。
どんどん食べています。
仲間たちは驚きました。
「おい、怖いんじゃなかったのか?」
すると男は笑いました。
「怖いものは怖いさ。」
「だから、全部食べてなくしてしまおうと思ったんだ。」
仲間たちは呆れました。
「なんだ、だまされたのか!」
男はにっこり笑いました。
「怖いと言ったけど、食べられないとは言ってないだろう?」
みんなは大笑いしました。
その後、仲間たちは言いました。
「今度こそ本当に怖いものを教えてくれ。」
男は少し考えました。
そして言いました。
「それじゃあ……。」
「熱いお茶が一番怖いな。」
「え?」
仲間たちはまた顔を見合わせました。
「本当か?」
男はうなずきました。
「うん。まんじゅうを食べた後には、熱いお茶が一番怖い。」
仲間たちは、
「あっ!」
と気づきました。
またしても、うまくやられてしまったのです。
みんなは大笑いしました。
それからこの話は、
「知恵のある人は、相手を楽しませることもできる。」
という面白い話として語り継がれました。
おしまい。
登場人物
- まんじゅうが怖い男
知恵を使って仲間を楽しませる人物。 - 仲間たち
男を驚かせようとする人々。
教訓
- 知恵を使うことで困難を乗り越えられる。
- 言葉には工夫する面白さがある。
- 相手を楽しませることも大切。
親子で話したいポイント
- 男は本当にまんじゅうが怖かったのかな?
- どうして仲間たちはだまされたのかな?
- 自分なら「怖いもの」を何と言う?
保育士向け活用ポイント
- 言葉遊びや想像力を育てる読み聞かせに向いています。
- 「本当かな?」と考える力を育む教材になります。
- 5歳児クラスでは、落語的なやり取りや劇遊びにも発展できます。


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