雪女(ゆきおんな)

日本の昔話
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あらすじ

むかしむかし、雪深い山里に、雪女という不思議な女性が現れるという言い伝えがありました。

ある雪の夜、木こりの若者が雪女に出会います。

雪女は「このことを誰にも話してはいけない」と約束させます。

時が経ち、若者は家族を持ちますが、ある出来事をきっかけに約束の大切さを知ることになります。


本文

むかしむかし、雪の深い山里に、茂作(もさく)という年老いた木こりと、巳之吉(みのきち)という若い木こりが住んでいました。

二人は親子のように仲良く、毎日山へ木を切りに出かけていました。

ある冬の日のことです。

山へ入った二人は、突然の吹雪にあいました。

「これでは帰れないな。」

二人は山小屋で夜を過ごすことにしました。

夜になると、外では風がゴォゴォと吹いていました。

すると――

ギィ……

と、戸が開きました。

そこに立っていたのは、真っ白な着物を着た美しい女性でした。

「雪女だ……。」

巳之吉は震えました。

雪女は茂作のそばへ近づき、白い息を吹きかけました。

すると、茂作はたちまち凍ってしまいました。

次に雪女は巳之吉のところへ来ました。

「お前も同じようにするところだった。」

巳之吉は恐怖で動けません。

しかし、雪女はしばらく見つめると、言いました。

「お前はまだ若い。」

「今日見たことを誰にも話してはいけない。」

「もし約束を破ったら、ただでは済まない。」

そう言うと、雪女は吹雪の中へ消えていきました。

巳之吉は震えながら山を下りました。

しかし、その夜のことを誰にも話しませんでした。

それから何年も経ちました。

巳之吉は立派な青年になり、お雪という美しい女性と出会いました。

二人は夫婦になり、幸せに暮らしました。

お雪は優しく、

働き者で、

子どもたちを大切にする素晴らしい母親でした。

長い年月が過ぎ、ある冬の夜。

巳之吉は昔の雪の夜の出来事を思い出しました。

そして、妻のお雪に話しました。

「実は昔、山小屋で雪女に会ったことがあるんだ。」

「とても怖い出来事だったよ。」

すると、お雪の顔が少し悲しそうになりました。

「あなた……。」

「その約束を忘れてしまったのですね。」

巳之吉は驚きました。

「まさか……。」

お雪は静かに言いました。

「私はあの時の雪女です。」

「あなたを助けたのは、あなたの優しい心を感じたからでした。」

巳之吉は言葉を失いました。

「では、今まで一緒に暮らしていたのは……。」

お雪は涙を浮かべました。

「私はあなたとの暮らしが幸せでした。」

「でも、約束は守らなければいけません。」

そう言うと、お雪の姿は少しずつ雪のように消えていきました。

「子どもたちを大切に育ててください。」

最後にそう言い残し、お雪は雪の中へ消えていきました。

巳之吉は悲しみました。

しかし、お雪との思い出を胸に、子どもたちを大切に育てました。

雪が降るたびに、巳之吉は空を見上げました。

「お雪、元気でいるだろうか。」

そして、家族を大切にすることを忘れませんでした。

おしまい。


登場人物

  • 巳之吉
    雪女と出会い、約束を守ろうとする青年。
  • 雪女(お雪)
    不思議な力を持つ存在。人を思いやる心も持つ。
  • 茂作
    巳之吉と山へ行く木こり。

教訓

  • 約束を守ることの大切さ。
  • 大切な人との時間を大事にすること。
  • 人には知らない一面がある。

親子で話したいポイント

  • 巳之吉はなぜ約束をしたのかな?
  • 約束を守ることはなぜ大切?
  • お雪さんは本当に怖い人だったのかな?

保育士向け活用ポイント

  • 約束を守ることや相手を思いやる気持ちを考える教材になります。
  • 怖い話としてだけでなく、「家族愛」「別れ」「思い出」を扱うことができます。
  • 年長児〜小学生向けの伝承文化教材として活用できます。

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