読む時間の目安:約8分
あらすじ
むかしむかし、森の中に七匹の子やぎと、お母さんやぎが仲良く暮らしていました。
ある日、お母さんやぎが出かけることになり、子やぎたちに「知らない人には絶対に戸を開けてはいけません」と約束します。
しかし、お腹をすかせたおおかみは、あの手この手で子やぎたちをだまそうとします。
「約束を守ること」「相手をよく見て判断すること」「家族を思いやる心」を伝える世界の名作です。
本文
むかしむかし、森の中の小さな家に、お母さんやぎと七匹の子やぎが暮らしていました。
子やぎたちは毎日元気いっぱい。
お母さんやぎと一緒に遊んだり、おいしいごはんを食べたりして過ごしていました。
ある朝、お母さんやぎが言いました。
「今日は町へ買い物に行ってきます。」
「みんな、お留守番をお願いね。」
子やぎたちは元気よく返事をしました。
「はーい!」
すると、お母さんやぎは少し真剣な顔になりました。
「森には、おおかみがいます。」
「どんなことを言われても、知らない人には戸を開けてはいけません。」
「お母さんの声と、白い足をよく見てね。」
子やぎたちは約束しました。
「わかった!」
お母さんやぎが出かけると、しばらくしてドアを叩く音がしました。
コンコン。
「子やぎたち、開けておくれ。」
「お母さんが帰ったよ。」
でも、その声はとても低く、ガラガラしています。
子やぎたちは言いました。
「お母さんの声じゃないよ!」
「帰って!」
おおかみは悔しそうに帰っていきました。
おおかみは考えました。
「もっと優しい声になればいいんだ。」
きれいな声になる薬を飲み、もう一度やってきました。
コンコン。
「子どもたち、帰りましたよ。」
今度は優しい声でした。
でも、一匹の子やぎが窓から足を見ると、黒い足が見えました。
「違う!」
「お母さんの足は白いもん!」
また、おおかみは逃げ帰りました。
今度は白い粉を足につけ、白く見えるようにしました。
そして、もう一度やって来ます。
コンコン。
「みんな、ただいま。」
子やぎたちは声を聞き、足を見ました。
「本当にお母さんだ!」
そう思って、戸を開けてしまいました。
すると、おおかみが飛び込んできました。
子やぎたちは大あわて。
机の下。
ベッドの中。
時計の中。
みんな一生懸命隠れました。
夕方、お母さんやぎが帰ってきました。
家の中は静まり返っています。
「どうしたの?」
すると、時計の中に隠れていた一匹の子やぎが出てきました。
泣きながら出来事を話しました。
お母さんやぎは子どもたちを探しに行きました。
森の広場で、お腹いっぱいになって眠っているおおかみを見つけました。
子やぎたちは無事に助け出されました。
みんなはお母さんやぎをぎゅっと抱きしめました。
「約束を忘れちゃいけなかったね。」
「これからは、ちゃんと確かめる。」
お母さんやぎは優しく言いました。
「約束は、みんなの命を守るためにあるのよ。」
それから七匹の子やぎは、お母さんとの約束を大切にしながら、毎日元気に暮らしました。
おしまい。
登場人物
お母さんやぎ
七匹の子やぎを大切に育てる優しいお母さん。危険から子どもたちを守ろうとします。
七匹の子やぎ
元気いっぱいの兄弟たち。お母さんとの約束の大切さを学びます。
おおかみ
子やぎたちをだまそうと、さまざまな工夫をするずる賢いおおかみです。
教訓
- 約束を守ることは、自分の身を守ることにつながる。
- 相手の言葉だけでなく、よく見て確かめることが大切。
- 家族を信じ、助け合うことの大切さを忘れない。
親子で話したいポイント
- 子やぎたちは、どうして戸を開けてしまったのかな?
- おうちでは、どんな約束があるかな?
- 知らない人が来たら、どうしたらいいかな?
- 約束を守ってよかった経験はあるかな?
保育士向け活用ポイント
- 防犯教育や安全教育の導入として活用しやすい作品です。
- 「約束には理由がある」ということを子どもたちと一緒に考えるきっかけになります。
- 劇あそびでは、それぞれの子やぎ役を楽しみながら協力する経験につなげられます。
- 登場人物の気持ちを考えることで、危険を予測する力や相手を思いやる気持ちを育む保育にも活用できます。


コメント