ゴルディロックスと3びきのくま|世界の名作・昔話(イギリスの昔話)

世界の名作・昔話

あらすじ

むかし、森の中の小さな家に、3びきのくまが住んでいました。

大きなくま、中くらいのくま、そして小さなくまです。

ある朝、3びきのくまが散歩へ出かけている間に、ゴルディロックスという女の子が家を見つけます。

扉をたたいても返事がありません。

けれどゴルディロックスは、そのまま家の中へ入ってしまいました。

そこには、大きさの違う3つのおかゆ、3つの椅子、そして3つのベッドがありました。

ゴルディロックスは一つずつ試しながら、自分に「ちょうどいい」ものを見つけていきます。

そして一番小さなベッドで眠ってしまったころ、散歩へ出かけていた3びきのくまが帰ってきました。

本文

むかしむかし、深い森の中に一軒の小さな家がありました。

その家には、3びきのくまが仲良く暮らしていました。

一番大きなくま。

中くらいのくま。

そして、一番小さなくまです。

家の中には、3びきそれぞれのものがありました。

大きなくまには、大きなおわんと大きな椅子、大きなベッド。

中くらいのくまには、中くらいのおわんと中くらいの椅子、中くらいのベッド。

小さなくまには、小さなおわんと小さな椅子、小さなベッド。

ある朝のことです。

3びきのくまは、朝ごはんのおかゆを作りました。

湯気の立つおかゆを、それぞれのおわんによそいます。

「いただきます。」

ところが、一口食べようとすると――。

「あつい!」

出来上がったばかりのおかゆは、まだとても熱かったのです。

大きなくまが言いました。

「これではまだ食べられないな。」

中くらいのくまもうなずきます。

小さなくまは、おかゆを見ながら待ちきれない様子です。

そこで3びきは相談しました。

「おかゆが冷めるまで、森を散歩してこよう。」

3びきのくまは家を出ました。

大きなくまが歩きます。

そのあとを中くらいのくま。

そして小さなくまがついていきます。

やがて3びきの姿は、森の木々の向こうへ消えていきました。

そのころ。

同じ森の中を、一人の女の子が歩いていました。

女の子の名前は、ゴルディロックス。

ゴルディロックスは木々の間を歩きながら、辺りをきょろきょろと見回していました。

すると――。

「あれ?」

木々の向こうに、小さな家が見えました。

「こんなところにお家がある。」

ゴルディロックスは気になって、家へ近づいていきました。

窓から中をのぞいてみます。

誰かいるようには見えません。

そこで扉の前に立ちました。

こんこん。

「こんにちは。」

返事はありません。

もう一度。

こんこん。

「誰かいますか?」

やはり返事はありません。

ゴルディロックスは扉に手をかけました。

「誰もいないのかな?」

本当なら、そこで帰らなければなりません。

知らない人の家へ、勝手に入ってはいけません。

けれどゴルディロックスは、家の中が気になって仕方ありませんでした。

そっと扉を開けます。

ぎいっ……。

ゴルディロックスは家の中へ入ってしまいました。

「わあ。」

部屋の真ん中には、テーブルがありました。

その上には、3つのおわんが並んでいます。

大きなおわん。

中くらいのおわん。

小さなおわん。

どのおわんにも、おいしそうなおかゆが入っていました。

ゴルディロックスのおなかが鳴りました。

「おいしそう……。」

まず、大きなおわんのおかゆを食べてみました。

「あつっ!」

まだ熱すぎます。

「これは熱すぎるわ。」

次に、中くらいのおわんのおかゆを食べてみました。

「うーん……。」

今度はゴルディロックスには冷たすぎました。

「これは冷たすぎる。」

最後に、小さなおわんのおかゆを一口食べてみます。

「おいしい!」

熱すぎず、冷たすぎず。

ゴルディロックスには、ちょうどいい温かさでした。

「これが一番ちょうどいい!」

一口。

もう一口。

「おいしい。」

ぱくぱく。

ぱくぱく。

気がつくと――。

「あっ。」

小さなおわんのおかゆを、全部食べてしまっていました。

おなかがいっぱいになったゴルディロックスは、今度は部屋に並んでいる3つの椅子を見つけました。

「少し休もうかな。」

まず、大きな椅子に座ってみます。

「うーん。」

ゴルディロックスには大きすぎました。

「これは大きすぎる。」

次に、中くらいの椅子に座ります。

「これは……。」

今度もしっくりきません。

そして最後に、小さな椅子へ座ってみました。

「わあ!」

ゴルディロックスはうれしそうに笑いました。

「これがちょうどいい!」

ところが――。

みしっ。

「え?」

みしみしっ。

ゴルディロックスが驚いて立ち上がろうとした、その瞬間。

ばきっ!

小さな椅子が壊れてしまいました。

「あっ……。」

ゴルディロックスは壊れた椅子を見つめました。

けれど、そのまま家の中を歩いていきます。

やがて階段を見つけました。

「上には何があるんだろう?」

とん。

とん。

とん。

階段を上っていくと、そこには寝室がありました。

寝室には、3つのベッドが並んでいました。

大きなベッド。

中くらいのベッド。

小さなベッド。

ゴルディロックスは少し眠くなっていました。

「ちょっとだけ休もう。」

まず、大きなベッドに横になってみました。

「大きすぎるなあ。」

次に、中くらいのベッドへ。

「これも、なんだか違う。」

最後に、小さなベッドへ横になりました。

ふわっ。

ゴルディロックスは布団にくるまりました。

「これがちょうどいい……。」

歩き疲れていたのでしょう。

目を閉じると――。

すう。

すう。

あっという間に眠ってしまいました。

そのころ。

森を散歩していた3びきのくまが、家へ戻ってきました。

「そろそろ、おかゆも冷めたころだろう。」

3びきは家の中へ入りました。

すると――。

大きなくまが、自分のおわんを見ました。

「誰かが、私のおかゆを食べたぞ。」

中くらいのくまも言いました。

「私のおかゆも、誰かが食べた。」

そして小さなくまが、自分のおわんを見ました。

「あっ!」

小さなくまはびっくりしました。

「ぼくのおかゆ、全部なくなってる!」

3びきは顔を見合わせました。

「誰かが家に入ったのか?」

辺りを見回します。

今度は椅子です。

大きなくまが言いました。

「誰かが、私の椅子に座ったぞ。」

中くらいのくまも言いました。

「私の椅子にも座ったみたい。」

そして――。

小さなくまが自分の椅子を見ました。

「ぼくの椅子が!」

小さな椅子は壊れています。

「壊れてる!」

3びきのくまは、ますます不思議に思いました。

誰かが自分たちの留守中に家へ入り、おかゆを食べ、椅子に座ったのです。

「まだ家の中にいるかもしれない。」

3びきは階段を上りました。

とん。

とん。

とん。

寝室へ入ります。

大きなくまが、自分のベッドを見ました。

「誰かが、私のベッドに寝たぞ。」

中くらいのくまも言いました。

「私のベッドにも寝たみたい。」

そして小さなくまが、自分のベッドを見ました。

「誰かが――」

そこで、小さなくまは言葉を止めました。

「いる!」

3びきのくまがベッドを見ます。

そこには――。

すう。

すう。

ゴルディロックスが眠っていました。

「女の子だ!」

3びきの声を聞いて、ゴルディロックスは目を覚ましました。

「ん……?」

目を開けると――。

目の前に3びきのくまが立っています。

大きなくま。

中くらいのくま。

そして小さなくま。

3びきとも、じっとゴルディロックスを見つめています。

「きゃあ!」

ゴルディロックスは飛び起きました。

「く、くま!」

慌ててベッドから飛び降ります。

階段を駆け下り。

壊れた椅子のそばを通り。

空っぽになったおわんの前を走り抜け――。

ばたん!

家の外へ飛び出しました。

そして、そのまま森の中を走っていきました。

木々の間を抜け。

振り返ることもなく。

どんどん遠くへ走っていきます。

3びきのくまは、家の中からその姿を見ていました。

テーブルには空っぽになった小さなおわん。

床には壊れた小さな椅子。

そして寝室には、ゴルディロックスが眠っていた小さなベッドが残っていました。

森の中の小さな家には、再び3びきのくまだけが残りました。

おしまい。

登場人物

ゴルディロックス
森の中で3びきのくまの家を見つけ、留守の間に勝手に入ってしまう女の子。3つのおかゆや椅子、ベッドを順番に試し、自分に「ちょうどいい」ものを選びます。

3びきのくま
森の中の小さな家で暮らしている、大きなくま、中くらいのくま、小さなくま。それぞれ自分のおわん、椅子、ベッドを持っています。

教訓

知らない人の家に、許可なく勝手に入らないことが大切。

自分にとって魅力的なものや「ちょうどいい」と感じるものでも、人のものを勝手に使ってはいけない。

何かを使いたいときには、持ち主の気持ちを考え、「使ってもいい?」「貸して」と尋ねることが大切。

親子で話したいポイント

ゴルディロックスは、どうしてくまの家へ入ってしまったのかな?

自分のものを誰かに勝手に使われたら、どんな気持ちになる?

人のものを借りたいときには、何と言えばいいかな?

大きいもの、中くらいのもの、小さいものでは、どれが自分に「ちょうどいい」かな?

もし自分が3びきのくまの家を見つけたら、どうする?

保育士向け活用ポイント

「大きい・中くらい・小さい」という大きさの比較を楽しむ活動に活用できます。

大小の異なるおわんや椅子、ぬいぐるみなどを用意して、「どれが一番大きい?」「小さいくまにはどれが合う?」と比べることで、物の大きさや順序を考える遊びへ展開できます。

また、ゴルディロックスがくまたちのものを勝手に使ってしまう展開から、「お友達のものを使いたいときはどうする?」「貸してと言われたらどうする?」など、園生活での貸し借りや相手の気持ちについて考える題材としても活用できます。

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